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出来事・ハード・言語・Web文化・ソフト・OS・規格・人物・概念。年代で見たいときは 年表ビュー →
出来事
- ARPANETの誕生1969米国の研究機関を結んだ実験的なネットワーク。複数のコンピュータをつないで通信した初期の試みで、後のインターネットの直接の祖先とされる。今や世界を覆う網の、ごく小さな最初の一歩だった。
- ITバブル(ドットコムバブル)2000インターネット関連企業に投資が殺到し、やがて崩壊した経済現象。Webへの過剰な期待と失望が入り混じった時代で、この頃に生まれ消えていった無数のサービスやソフトが、ネット黎明期の空気を今に伝える。
- iPhone発表2007指で触れて操作するスマートフォンが発表された出来事。電話・音楽・ネットを一台に統合し、その後の十年で人々の生活とコンピュータの関わり方を根本から変えた。モバイル時代の本格的な幕開けを告げた。
- アップル創業1976ジョブズとウォズニアックがガレージで始めた会社。趣味の機械だったパーソナルコンピュータを、誰もが使える製品へ変えていく道を切り開いた。技術と美意識を結びつける姿勢の原点とも言える出来事。
- アポロ11号 月面着陸1969人類が初めて月に降り立った出来事。限られた計算資源で偉業を成し遂げた裏には当時最先端の誘導コンピュータがあり、宇宙開発と計算機技術が並走していた時代を象徴する。
- AlphaGoの勝利2016Googleの囲碁AIが世界トップ棋士に勝利した出来事。難しいとされた囲碁での快挙は、深層学習の威力を世に強く印象づけ、第三次AIブームを一気に加速させた。AIへの社会の見方が変わる節目となった。
- Winny事件2004ファイル共有ソフトWinnyの開発者が逮捕された出来事。技術そのものと、その悪用の責任を作者が負うべきかをめぐり大きな議論を呼んだ。技術の中立性と法のあり方を問う、日本のIT史に残る事件。
- Windows 95 発売1995深夜の行列まで生まれた社会現象級のソフト発売。GUIとインターネット接続を一般家庭へ一気に広め、「パソコンを家で使う」ことが当たり前になる転機となった。コンピュータが特別な機械でなくなっていく境目の年。
- オイルショック1973原油価格の高騰が世界経済を揺るがした出来事。省エネルギーや効率化への意識が高まり、消費電力の小さい電卓やマイコンなど、後の小型電子機器が育つ社会背景の一つになった。
- オンラインソフト全盛期1996Vectorや窓の杜といった配布サイトを通じて、個人が作ったフリーソフト・シェアウェアが大量に流通した時代。名もない作者の力作が日本中のPCに届いた、この営みが見つめ直したい古い情報技術の宝庫でもある。
- Google創業1998スタンフォード大の学生二人が、リンクの構造から重要度を測る検索技術をもとに創業した。膨大なWebの中から目当ての情報を見つける手段を一変させ、「検索する」が日常語になる時代を作った出来事。
- 新型コロナ感染拡大2020世界的な感染症の流行。在宅勤務やオンライン会議、クラウドサービスの利用が一気に進み、デジタル化が数年分前倒しされたとも言われる。社会の出来事が技術の使われ方を急変させた、近年で最も大きな転機。
- スプートニク打ち上げ1957ソ連が世界初の人工衛星を打ち上げた出来事。これに衝撃を受けた米国が研究機関ARPAを設立し、後のインターネットの源流ARPANETへとつながっていく。冷戦が技術を駆動した時代の象徴。
- スマートフォン普及2010iPhoneとAndroid端末が世界中に行き渡り、一人一台コンピュータを持ち歩く時代が現実になった頃。Webやサービスの設計が「スマホ前提」へ切り替わり、PCの位置づけも変わり始めた、社会の大きな転換点。
- 第二次世界大戦の終結1945暗号解読や弾道計算といった軍事上の必要が、初期の電子計算機の開発を一気に押し進めた時代。ENIACもこの文脈で生まれた。戦争と計算機技術が分かちがたく結びついていたことを物語る区切りの年。
- ChatGPT公開2022誰でも自然な対話ができるAIが公開され、わずかな期間で爆発的に広まった出来事。生成AIを一般の人々の手元に届け、仕事や学び・創作のあり方をめぐる議論を一気に巻き起こした、近年最大級の技術的転換点。
- 東京オリンピック(1964)1964コンピュータによる競技記録の集計や新幹線開業など、日本が技術力を世界に示した出来事。電子計算機が大規模イベントの裏方として活躍し始めた時代で、戦後日本の技術立国へ向かう空気を伝える。
- 2000年問題(Y2K)1999西暦の下2桁だけでデータを扱っていた古いシステムが、2000年を正しく処理できないのではと世界中が身構えた問題。古いソフトの設計上の妥協が時を超えて表面化した、技術の「ツケ」を象徴する出来事。
- 阪神・淡路大震災19951995年1月に近畿地方を襲った大震災。インターネットや携帯電話がまだ普及途上だった時代の災害で、情報伝達の難しさが課題として残り、後の防災・通信のあり方を考える契機にもなった。
- 東日本大震災20112011年3月に発生した大災害。TwitterなどのSNSが安否確認や情報共有で大きな役割を果たし、ソーシャルメディアが社会インフラの一部として認識される契機になった。情報技術と防災の関わりを改めて問うた出来事。
- ビットコイン誕生2009正体不明の人物が公開した論文をもとに、管理者のいない電子通貨が動き始めた出来事。ブロックチェーンという仕組みが現実に動くことを示し、後の暗号資産ブームと分散技術への関心の出発点になった。
- ファミコン発売1983任天堂のファミリーコンピュータが発売され、家庭用ゲームが日本の娯楽の中心に躍り出た出来事。安価で高性能な家庭用ゲーム機が文化を作り、後のレトロゲーム解析やROMハックという営みの土台もここから始まった。
- ベルリンの壁崩壊1989冷戦の終わりを告げた象徴的な出来事。奇しくも同じ年にWorld Wide Webが構想されており、軍事の論理で発展した計算機・ネットワーク技術が、開かれた世界へ向かっていく時代の節目となった。
- マイクロソフト創業1975ビル・ゲイツとポール・アレンが、Altair向けのBASICを書いたことを起点に創業した。ハードでなくソフトウェアで商売をするという発想が、後にPC時代の覇権につながっていく。個人用コンピュータ産業の幕開けを告げる出来事。
- Macintosh発表1984マウスとGUIを前面に押し出したMacintoshが発表された出来事。「1984」を引用した伝説的なCMとともに、コマンドの世界から見て触る世界へというパーソナルコンピュータの転換を象徴した。
- リーマンショック2008世界的な金融危機。コスト削減の流れがクラウドやオープンソースの普及を後押しし、自前で重い設備を持たない身軽な開発スタイルが広がる背景にもなった。経済の動きが技術の選択に影響した一例。
ハード
- ARMアーキテクチャ1985消費電力の小ささを強みとするCPU命令セットの系統。スマートフォンやタブレットのほぼすべてに採用され、近年はPCやサーバーにも広がった。モバイル時代の主役となったアーキテクチャ。
- IBM PC (5150)1981IBMが発売した最初のパーソナルコンピュータ。仕様を公開したオープンな設計だったため互換機(PC/AT互換機)が大量に生まれ、x86とMS-DOSを軸にした巨大なPCエコシステムの起点になった。
- Apple II1977スティーブ・ウォズニアックが設計した、初期のヒット家庭用パーソナルコンピュータ。カラー表示と拡張スロットを備え、表計算ソフトVisiCalcの登場とともにビジネスにも普及して、PCが一般に広がる先駆けとなった。
- Apple Newton1993Appleの携帯情報端末(PDA)。手書き認識を売りにしたが時代に早すぎ、後のスマートデバイスを予感させた失敗作。
- Apple Lisa1983Appleが出したGUI搭載の高価なパソコン。商業的には失敗したが、Macintoshへ続く道を開いた。
- Altair 88001975雑誌の表紙を飾り、自作キットとして売られた初期のマイクロコンピュータ。スイッチとランプだけの素っ気ない箱だったが、ホビイストの心に火をつけた。ビル・ゲイツとポール・アレンがこの機械向けにBASICを書いたことで、マイクロソフトの出発点にもなった。
- Intel 40041971世界初の商用マイクロプロセッサとされる4ビットCPU。電卓向けに作られたが、計算の中枢を一枚のチップに収めたことで「一つのチップに乗るコンピュータ」の時代を開いた。日本のビジコン社との協業から生まれた点も知られる。
- x86アーキテクチャ1978Intel 8086に始まるCPU命令セットの系統。IBM PCに採用されて以降、PC市場の事実上の標準となり、後方互換を保ちながら現在まで拡張され続けている。長く生き残った「枯れて強い」アーキテクチャの代表。
- ENIAC1945真空管約18,000本を用いた、初期の大規模な電子式汎用計算機。米国で弾道計算のために作られた。配線の差し替えでプログラムする方式で、巨大な部屋を埋め尽くす物量が「計算機械」の時代の幕開けを象徴した。
- MSX1983アスキーとマイクロソフトが提唱した、各社共通仕様の家庭用パソコン規格。安価でメーカーをまたいでソフトが動く統一規格として、子供のプログラミング入門機にもなった。日本発の規格として海外にもファンが多い。
- 解析機関(バベッジ)1837チャールズ・バベッジが構想した、歯車式で動く汎用の機械計算機。条件分岐やループ、記憶装置にあたる仕組みを備え、現代コンピュータの概念をほぼ先取りしていた。当時の技術では完成しなかったが、エイダ・ラブレスが最初のプログラムを書いたことでも知られる。
- Cray-11976象徴的なスーパーコンピュータ。独特のC字型筐体とベクトル演算で、科学計算の最高峰として名を馳せた。
- ゲームギア1990セガの携帯ゲーム機。カラー液晶を売りにしたが、電池消費の激しさなどでゲームボーイに及ばなかった。
- ゲームボーイ1989任天堂の携帯型ゲーム機。性能を抑え白黒画面にした代わりに低消費電力と低価格・頑丈さを実現し、携帯ゲーム機の市場を決定づけた。枯れた技術を組み合わせて大成功した設計の代表例とされる。
- Commodore 641982世界で最も売れた家庭用パーソナルコンピュータとも言われる8ビット機。安価で音と映像に強く、欧米のデモシーンやゲーム文化を育てた。日本では馴染みが薄いが、海の向こうでは多くの人の「最初のコンピュータ」だった。
- 3.5インチフロッピー硬いケースに入った小型フロッピー。保存アイコンの原型で、長くデータ受け渡しの標準だった記録メディア。
- CD-ROM1985音楽CDの技術を流用した、大容量の読み出し専用メディア。フロッピーの数百倍の容量で、音声や動画を含むソフトやゲームの配布を可能にし、マルチメディア時代を切り開いた。
- 磁気コアメモリ1953小さなフェライトのリングに電流で磁気の向きを書き込み、情報を保持した初期の主記憶装置。電源を切っても消えない不揮発性で、半導体メモリが登場するまでコンピュータの記憶を担った。手作業で配線された姿は工芸品のようでもある。
- Zipドライブ1994フロッピーより大容量のリムーバブルディスク。大きなファイルの持ち運び手段として一時広まったが、CD-RやUSBに押された。
- シフトレジスタ複数の入力を1本の線に1ビットずつ並べて順番に送り出す(または受け取る)IC。ファミコンのコントローラーは8ビットの4021というシフトレジスタを使い、8個のボタンの状態をクロックに合わせて1本のデータ線でシリアル転送している。少ない配線で多くの信号を扱える、古い機器の定番の仕組み。
- ジャカード織機1804パンチカードに開けた穴の有無で織り模様を制御した自動織機。ジョゼフ・マリー・ジャカードが実用化した。穴=情報という発想は後のパンチカード計算機やコンピュータの記憶方式へと受け継がれ、「プログラム可能な機械」の原点とされる。
- 集積回路(IC)1958多数のトランジスタなどを一枚のチップに作り込んだ電子回路。部品を一つにまとめることで小型化・低価格化・高信頼化を一気に進め、マイクロプロセッサや現代の電子機器すべての土台になった。
- 真空管1904電流の流れを制御できるガラス管の電子素子。増幅やスイッチングに使え、初期のコンピュータやラジオ・テレビを支えた。発熱と故障の多さが弱点で、後にトランジスタへ置き換わったが、その独特の灯りは今もオーディオ好きを惹きつける。
- スーパーファミコン1990任天堂の16ビット家庭用ゲーム機。豊かな色数と拡大縮小・回転機能で当時の表現力を大きく広げた。ROMカートリッジは暗号化されておらず平文で読めたため、後年のROM解析・改造文化が育つ土壌になった。
- セガサターン1994セガの32ビット家庭用ゲーム機。2D性能に優れ、独特のアーケード移植やマニア向けタイトルで根強い人気を持つ。
- DAT1987デジタル録音できるカセットテープ規格。高音質だが普及は限定的で、後にデータバックアップ用途で使われた。
- トランジスタ1947半導体で電流を制御する小型の電子素子。真空管に比べて小さく壊れにくく省電力で、コンピュータを劇的に小型化した。あらゆる電子機器の基礎部品であり、集積回路(IC)へと発展していく出発点になった。
- ドリームキャスト1998セガ最後の家庭用ゲーム機。早くからネット接続機能を備え、時代を先取りしたが商業的には振るわなかった。
- NINTENDO641996任天堂の64ビット家庭用ゲーム機。本格的な3Dゲームとアナログスティック、4人同時プレイを家庭に持ち込んだ。ROMカートリッジ最後の主力世代で、暗号化されたメディアにより吸い出しはSFCより難しくなった。
- ハードディスク(HDD)1956回転する磁気円盤に磁気ヘッドで読み書きする大容量の記憶装置。IBMが初号機を発売した当初は巨大で高価だったが、年々小型大容量化し、長くPCの主記憶媒体を担った。後にSSDへ主役を譲りつつある。
- Palm1996手のひらサイズの携帯情報端末(PDA)。手書き入力Graffitiと手軽さで普及し、スマホ前夜の携帯端末を代表した。
- VAX1977DEC社の32ビットミニコン。大学や研究機関に広く普及し、初期のインターネットやUNIX文化を支えた。
- パンチカード1890厚紙に開けた穴の位置で情報を表した記録・入力メディア。ホレリスが国勢調査の集計に使い、後にIBMの事業の柱となった。プログラムやデータをカードの束で持ち運んだ時代の象徴で、ジャカード織機の発想を受け継いでいる。
- PCエンジン1987NECとハドソンの家庭用ゲーム機。小型で高い表現力を持ち、CD-ROMを早くから採用したことで知られる。
- PC-98011982NECの16ビットパソコンで、長らく日本のPC市場で圧倒的なシェアを握った。独自規格ながら膨大なソフト資産を抱え、「98(キュウハチ)」の愛称で親しまれた。Windows/DOS-V互換機の波に飲まれるまで、日本のビジネスとゲームを支えた。
- PC-88011981NECの8ビットパソコン。日本のホビーパソコン市場で広く普及し、初期の国産PCゲームや同人ソフトの主戦場になった。海外のC64に対する、日本のホームコンピュータ文化の中心の一つ。
- PDP-111970DEC社のミニコンピュータ。UNIXとC言語が育った機械として知られ、コンピュータ史に決定的な影響を残した。
- ファミリーコンピュータ1983任天堂の8ビット家庭用ゲーム機。安価で高い表現力を持ち、日本の家庭用ゲーム市場を一気に築いた。コントローラの方向キー+ボタンという操作系は、その後の家庭用ゲーム機の基本形になった。
- PlayStation(初代)1994ソニーの家庭用ゲーム機。CD-ROMを採用して3D表現と大容量のゲームを普及させ、ゲームを子供のものから幅広い層のものへ広げた。カートリッジから光ディスクへ、家庭用ゲームの世代交代を決定づけた。
- フロッピーディスク1971薄い磁性体の円盤を使った着脱式の記録メディア。安価で持ち運べる記憶装置としてPC普及期のソフト配布やデータ保存を支えた。容量の小ささから後にCD-ROMやUSBメモリへ置き換わり、いまや保存アイコンの中だけに残る。
- マウス1968画面上のポインタを動かす入力装置。ダグラス・エンゲルバートが公開デモで世に示し、後にゼロックスやAppleがGUIと組み合わせて普及させた。キーボード以外でコンピュータを操る、直感的な操作の入口を開いた。
- マジコンゲーム機のカートリッジスロットに挿し、メモリーカード等に入れたデータを読み込ませる周辺機器の俗称。本来は自作プログラムやバックアップ用途の文脈で生まれた仕組みだが、市販ソフトの不正コピー実行に使われたことで社会問題化し、各国で法規制や裁判の対象となった。技術と権利・違法利用の関係を考える上で象徴的な存在。
- MD(ミニディスク)1992ソニーが出した小型の光磁気記録メディア。録音できる音楽メディアとして普及したが、フラッシュメモリ時代に消えた。
- メガドライブ1988セガの16ビット家庭用ゲーム機。海外ではGenesisの名で大ヒットし、スーパーファミコンとしのぎを削った。アーケード由来の処理性能とソニックに代表される高速感が持ち味で、当時の「ゲーム機戦争」を象徴する一台。
- USB1996周辺機器をPCにつなぐための統一規格。それまで機器ごとにバラバラだった端子を一本化し、抜き差しだけで使える手軽さを実現した。キーボードからストレージ、充電まで担う、現代の事実上の標準コネクタ。
- Raspberry Pi2012手のひらサイズの安価なシングルボードコンピュータ。教育や電子工作のために生まれ、Linuxが動く本物のPCを数千円で触れるようにした。学びと自作の裾野を大きく広げた一台。
- レーザーディスク1981大きな円盤に映像を記録した光ディスク。高画質を売りにしたが、DVDの登場で姿を消した先駆的メディア。
- 65C8161985MOS 6502を16ビットに拡張したCPU。1984年に設計が完了し1985年に市場へ出た。8ビットの6502コードとの互換性を保ちながら16ビット処理を可能にし、スーパーファミコンやApple IIGSに採用された。6502の系譜を16ビット時代へ橋渡しした一台。
- MOS 65021975MOSテクノロジーが作った安価な8ビットCPU。低価格ゆえにApple IIやコモドール、ファミコンなど数多くの機器に採用され、家庭用コンピュータ普及期の主役の一つになった。シンプルな命令系は解析・自作の入口としても親しまれている。
- ワンダースワン1999バンダイの携帯ゲーム機。ゲームボーイの開発者が関わり、省電力と独特の縦持ち対応で知られる。
言語
- Erlang1986電話交換機の開発から生まれた言語。並行処理と高い耐障害性に強く、大規模なメッセージ処理システムで使われる。
- ActionScript1998Adobe Flash上で動くプログラミング言語。Webのアニメやゲームを動かし、Flash全盛期を支えたが、Flashの終焉とともに役目を終えた。
- アセンブリ言語1949機械語の命令を人が読める記号に置き換えた、最も低水準に近い言語。CPUの動きをそのまま書くため習得は難しいが、限界まで速度や容量を絞れる。レトロゲーム解析やROMハックでは、逆アセンブルした先で必ず出会う言語。
- ALGOL1958学術的に設計された初期の高水準言語。ブロック構造や再帰など、現代の言語に当たり前にある概念の多くを整理して広めた。言語そのものより、後のCやPascalなど数多くの言語に与えた影響が大きい、いわば言語の祖先。
- HSP1996Hot Soup Processor。日本発の初心者向けプログラミング言語。手軽にWindowsアプリやゲームが作れ、多くの人の「最初の言語」になった。
- SQL1974関係データベースを操作するための問い合わせ言語。欲しいデータを「どう取るか」でなく「何が欲しいか」で書ける宣言的な記述が特徴。半世紀近く使われ続け、データを扱う仕事の共通言語として今も現役の代表格。
- F#2005.NET上で動く関数型重視の言語。OCaml系の流れをくみ、簡潔な記述とデータ処理の強さを持つ。
- AWK1977テキストを行・列として処理するのに特化した小さな言語。Unixの定番ツールで、ログ処理やデータ整形に今も使われる。
- Objective-C1984CにSmalltalk風のオブジェクト指向を足した言語。NeXT、そしてAppleに採用され、長らくMacやiPhoneアプリ開発の中心言語だった。独特の角括弧記法を持ち、Swift登場まで一時代を築いた。
- Go2009Googleが開発した、シンプルさと並行処理のしやすさを重視した言語。コンパイルが速く扱いやすいため、サーバーやクラウド基盤のソフトで広く採用されている。DockerやKubernetesもGoで書かれている。
- Kotlin2011JetBrainsが開発した、Javaと相互運用できる言語。簡潔で安全に書けることから、GoogleがAndroid開発の推奨言語に採用して一気に広まった。Javaの資産を活かしつつ書き心地を改善した言語。
- COBOL1959事務処理向けに作られた、英語に近い構文を持つ言語。金融・行政などの基幹システムで大量に使われ、半世紀以上たった今も現役で動き続けている。「枯れているのに置き換えられない」古い技術の象徴的存在。
- C言語1972デニス・リッチーがUNIX開発のために作った汎用言語。ハードウェアに近い操作ができつつ移植性も高く、OSや組み込みなど低レイヤの定番として現在も使われ続けている。後の多くの言語の文法の祖でもある。
- C#2000マイクロソフトが.NET基盤向けに開発した言語。JavaやC++の良さを取り入れ、Windowsアプリやゲームエンジン(Unity)、業務システムなど幅広く使われている。現在も活発に進化を続けている言語。
- C++1985ビャーネ・ストロヴストルップがC言語にオブジェクト指向などの機能を加えて作った言語。性能と抽象度を両立でき、ゲーム・ブラウザ・各種アプリの基盤として広く使われている。Cとの互換を保ちながら巨大に育った言語。
- シェルスクリプト1977UNIXのシェル(コマンド解釈器)への命令をまとめて書いて自動実行する仕組み。小さなコマンドをパイプで繋いで仕事をこなすUNIX文化を体現する。地味だが、サーバー運用や自動化の現場で今も毎日使われ続けている。
- Simula1967ノルウェーで作られた、シミュレーション向けの言語。「クラス」や「オブジェクト」という概念を初めて言語に持ち込み、オブジェクト指向プログラミングの源流とされる。後のSmalltalkやC++に流れ込む発想がここで生まれた。
- Java1995サン・マイクロシステムズが開発した、「一度書けばどこでも動く」を掲げた言語。仮想マシン上で動く仕組みで環境差を吸収し、企業システムやAndroidアプリの基盤として広く普及した。
- JavaScript1995Netscapeのブラウザに組み込むために、ごく短期間で作られたスクリプト言語。Webページに動きを与える言語として広まり、いまやブラウザだけでなくサーバーまで動かす、Webに不可欠な言語へと育った。
- Swift2014AppleがiOS/macOSアプリ開発のために作った言語。それまでのObjective-Cより書きやすく安全で、Apple製品向けアプリ開発の主役になった。
- Scala2004JVM上で動く、オブジェクト指向と関数型を融合した言語。大規模なデータ処理基盤などで採用された。
- Smalltalk1972ゼロックスのパロアルト研究所で生まれた、純粋なオブジェクト指向言語。すべてをオブジェクトとメッセージで表す思想と、開発環境そのものを内包する発想は後世に大きな影響を与えた。GUIやIDEの原型ともつながっている。
- TypeScript2012マイクロソフトが作った、JavaScriptに型の仕組みを加えた言語。大規模なWeb開発でミスを減らせるため急速に普及し、いまや多くのフロントエンド開発の標準的な選択肢になっている。
- Tcl/Tk1988組み込みやすいスクリプト言語Tclと、GUI部品ツールキットTk。手軽にGUIアプリを作れる組み合わせとして長く使われた。
- Delphi1995Borlandが出したObject Pascalベースの統合開発環境。ビジュアルにWindowsアプリを組める手軽さで、業務開発に広く使われた。
- Perl1987ラリー・ウォールが作った、テキスト処理に強いスクリプト言語。正規表現を手軽に扱え、初期のWeb(CGI)やシステム管理で広く使われた。「インターネットの接着剤」と呼ばれ、動的なWebの黎明期を支えた。
- Python1991グイド・ヴァンロッサムが作った、読みやすさを重視した汎用スクリプト言語。シンプルな文法と豊富なライブラリで、Web・データ分析・機械学習まで幅広く使われ、現在もっとも広く学ばれる言語の一つになった。
- Pascal1970ニクラウス・ヴィルトが教育用に設計した言語。構造化プログラミングをきれいに学べる言語として広く使われ、後にTurbo Pascalとして実務でも普及した。プログラミング教育の歴史に名を残す。
- Haskell1990純粋関数型プログラミング言語。遅延評価と強力な型システムを持ち、研究と実務の両面で関数型の考え方を広めた。
- PHP1995HTMLに直接書ける手軽さでWebアプリ開発に広く使われたサーバーサイド言語。雑多な作りと言われつつも導入の容易さで爆発的に普及し、WordPressをはじめ膨大なサイトを支えた。Web黎明期の動的サイトを語るに欠かせない。
- Visual Basic1991マイクロソフトが作った、画面を部品で組み立てながらプログラムできる開発環境付き言語。ドラッグ&ドロップでWindowsアプリを手軽に作れたことで、多くの人にプログラミングの入口を提供した。社内ツールの定番でもあった。
- VBScript1996MicrosoftのVisual Basic系スクリプト言語。Windowsの自動化やWebページの制御に使われたが、後にPowerShell等に置き換えられた。
- Forth1970スタックを中心に据えた極めて小さな言語。限られたメモリの組み込み機器や天文機器で使われ、独特の思想を持つ。
- FORTRAN1957IBMが開発した、科学技術計算向けの初期の高水準プログラミング言語。それまで機械語やアセンブリで書いていた数値計算を、数式に近い形で記述できるようにした。最初期の言語ながら数値計算の分野では現在も使われ続けている。
- Prolog1972論理を記述すると処理系が答えを導く、論理型プログラミング言語。手順を書くのでなく事実と規則を書く独特の発想で、人工知能研究や日本の第五世代コンピュータ計画でも注目された。命令型に慣れた頭には新鮮な異世界。
- BASIC1964初心者向けに設計された、簡単な命令で書ける言語。後に多くの家庭用パソコンが起動するとBASICが立ち上がる仕様になり、子どもや趣味の人が初めて触れるプログラミングの入口になった。マイコン時代の原体験を作った言語。
- Rust2010メモリの安全性を保ちながら高速に動くことを目指して作られた言語。C/C++が抱えがちなバグを言語の仕組みで防げるため、OSやブラウザ、低レイヤの開発で支持を広げている。
- Lisp1958ジョン・マッカーシーが考案した、リストを中心に据えた関数型寄りの言語。プログラムとデータを同じ形で扱える独特の設計を持ち、人工知能研究やプログラミング言語論に大きな影響を与えた。多くの方言を生みながら今も生き続けている。
- Lua1993軽量で組み込みやすいスクリプト言語。ゲームやアプリの拡張用に広く採用され、設定やMOD記述の定番となった。
- Ruby1995まつもとゆきひろ(Matz)が作った、書いていて楽しいことを重視した国産のスクリプト言語。後にWebフレームワークRuby on Railsの登場で世界的に広まった、日本発の代表的プログラミング言語。
Web文化
- RSS1999サイトの更新情報を配信するための仕組み。専用のリーダーに登録しておけば、巡回しなくても新着がまとまって届いた。SNSのタイムラインが普及して目立たなくなったが、自分で情報源を選ぶ思想は今も支持されている。
- アクセスカウンターページが何回見られたかを数字で表示する、個人サイト時代の定番パーツ。トップページに「あなたは○○○○人目の訪問者です」と並ぶ数字は、訪れた人と管理人をつなぐささやかな交流でもあった。SNSのいいね以前の、素朴なアクセス可視化の文化。
- アスキーアート文字だけで絵を描く表現。掲示板やパソコン通信の時代から発達し、2ちゃんねるのモナーなどネット文化の象徴となった。
- Amazon1994オンライン書店として始まり、あらゆる物を売る巨大ECへと成長した企業・サービス。レビューやおすすめの仕組みでネット通販を一般化させ、後にクラウド事業AWSで世界のインフラも支えるようになった。
- Instagram2010写真と短い動画を中心にしたSNS。スマートフォンのカメラと相性がよく、見せる・映えるという価値観を広めた。文字より画像で伝えるネット文化を象徴するサービス。
- Internet Explorer1995マイクロソフトのWebブラウザ。Windowsに標準搭載されて一時はブラウザ市場をほぼ独占した。独自仕様も多く後年は互換性の悩みの種になったが、長く使われ、2022年に役目を終えた。
- Wikipedia2001誰でも編集できる、巨大なオンライン百科事典。みんなで知識を持ち寄って育てるという発想を世界規模で実現し、調べ物のあり方を大きく変えた。集合知の代表例。
- Wayback Machine2001Internet Archiveが運営する、過去のWebページを保存・閲覧できるサービス。消えてしまったサイトを当時の姿で遡れる点で、ネットの記憶装置とも呼べる。古い情報やリンク切れを追う作業では何度も助けられる存在。
- Webリング同じ趣味の個人サイトを輪のように相互リンクで繋ぐ仕組み。検索が貧弱だった時代に、サイトを辿って巡る文化を支えた。
- HTML1991Webページの構造を記述するためのマークアップ言語。見出しや段落、リンクや画像をタグで表す素朴な仕組みで、誰でも書ける手軽さがWebの爆発的な普及を支えた。今もWebの土台として進化を続けている。
- 絵文字1999日本の携帯電話で生まれた小さな絵記号。後にUnicodeに採用され、世界中のコミュニケーションに広がった。
- GitHub2008Gitを使ったソースコードの共有・共同開発を支えるサービス。世界中の開発者がオープンソースを持ち寄る場となり、コードを公開して協力する文化を決定づけた。現代の開発に欠かせない基盤。
- キリ番アクセスカウンターが10000や77777といった「キリのいい数字」になることを指す個人サイト文化。その番を踏んだ人が掲示板で報告し、管理人がお礼のイラストを描く、といったやり取りが生まれた。数字ひとつを口実にした、ゆるい交流の作法。
- Google 検索1998リンクのつながりからページの重要度を測る仕組みで、Web検索の精度を一気に高めた検索エンジン。情報を「探す」体験を一変させ、SEOという考え方そのものを生み出した。
- Google マップ2005ブラウザ上でぬるぬると動く地図サービス。ドラッグで移動・拡大できる操作感はWebアプリの可能性を世に示し、後の地図アプリの常識になった。航空写真やストリートビューも加わり、地図の使い方そのものを変えた。
- 個人サイト・アクセスカウンター文化2000個人が手書きのHTMLで作るホームページと、訪問者数を表示するアクセスカウンターやキリ番文化が花開いた時代。Webがまだ大企業のものではなく、一人ひとりの「部屋」だった頃の手作りの空気が漂っていた。
- ジオシティーズ1994無料で個人のホームページを作れたサービス。住所のような番号で区画が割り当てられ、趣味のサイトが街のように立ち並んだ。多くの人の最初の自作サイトの舞台であり、その閉鎖は個人サイト文化の一つの区切りとなった。
- Twitter(X)2006短い文章をリアルタイムに投稿・拡散できるSNS。速報や雑談、個人の発信の場として広まり、ネット上の話題の流れ方を大きく変えた。後にXへ改称。
- TikTok2016短い縦型動画を次々に見せるSNS。おすすめが流れてくる仕組みが強力で、若い世代を中心に世界的に広まった。動画の消費の仕方そのものを変えた、2020年代を代表するサービス。
- テキストサイト日記やコラムなど文章中心の個人サイト文化。ブログ普及前の2000年前後に隆盛し、独特の文体や読者交流を生んだ。
- ニコニコ動画2006動画の上に視聴者のコメントが流れる独特の仕組みを持つ、日本の動画サイト。みんなで同じ動画を見て盛り上がる一体感を生み、ボーカロイドや実況など多くのネット文化の発信源になった。
- 2ちゃんねる1999匿名で書き込める巨大掲示板。日本のネット文化の中心地となり、独特の言い回しやアスキーアート、スレッド文化を数多く生んだ。今のネットスラングや掲示板文化の源流の一つ。
- Netscape Navigator19941990年代のWebを代表したブラウザ。多くの人が初めてインターネットに触れた窓口で、JavaScriptやクッキーなど今に続く技術もここから生まれた。後にInternet Explorerとの「ブラウザ戦争」を繰り広げた。
- ネットニュース1980NNTP/Usenetによる分散型の電子掲示板網。Webより前の時代の議論・情報共有の場で、ネット文化の原型を作った。
- パソコン通信1985インターネット普及前に、電話回線でホスト局に接続して掲示板やメールを使った通信形態。ニフティサーブやPC-VANが有名。
- はてなブックマーク2005気になったページをみんなで共有・コメントできる、日本のソーシャルブックマーク。多くブックマークされた記事が注目を集める仕組みで、日本のネット世論や話題の発信源として影響力を持った。技術記事の拡散経路としても定番。
- Facebook2004実名で人とつながることを基本にしたSNS。大学から始まり世界規模に広がり、個人がネット上に「もう一つの社会生活」を持つ時代を作った。SNSという言葉を一般化させた立役者の一つ。
- Adobe Flash1996Web上でアニメーションやゲーム、動画を動かすために広く使われた技術。個人制作のFlash動画やゲームが集まる文化を生み、賑やかなWebの一時代を作った。セキュリティと標準化の流れの中で2020年に終了した。
- Flash黄金時代Adobe Flashで作られたアニメやゲームがWebに溢れた時代。個人制作の動画文化を支えたが、HTML5普及とともに姿を消した。
- ブログ1999日記や記事を時系列で手軽に公開できる仕組みと文化。HTMLを書けなくても文章を発信でき、個人サイトより気軽に書ける場として広まった。SNSに主役を譲った後も、まとまった文章を残す場所として生き続けている。
- mixi2004招待制で広がった日本初期のSNS。日記・足あと・コミュニティ機能で実名に近い交流を生み、ブログとTwitterのあいだの時代を象徴した。後発の海外SNSに押されたが、日本のソーシャル文化の原点の一つ。
- Mosaic1993文章と画像を同じ画面に並べて表示できた、初期のGUI Webブラウザ。それまで専門家のものだったWebを一般の人にも見やすくし、Webが爆発的に広まるきっかけになった。後のNetscapeへとつながる。
- Yahoo! JAPAN1996人が手作業でサイトを分類した「ディレクトリ型」検索から始まった、日本最大級のポータルサイト。トップページに情報を詰め込むスタイルで、多くの人にとってのインターネットの入口だった。検索が機械任せになる前の時代の象徴。
- YouTube2005誰もが動画を投稿・共有できる動画サイト。個人が映像を世界に発信できるようにし、テレビとは違う新しい映像文化と、動画で生計を立てる人々を生んだ。
- World Wide Web1989ティム・バーナーズ=リーがCERNで考案した、文書同士をリンクでつなぐ仕組み。URL・HTTP・HTMLという三つの土台を定め、誰もが情報を公開し行き来できる現在のWebの原型を作った。
ソフト
- RPGツクール1992プログラミングなしでRPGを制作できるツール。多くの人が初めてゲームを作る入口となり、フリーゲーム文化の土台を築いた。
- ICQ1996初期に広まったインスタントメッセンジャー。番号で相手を識別し、リアルタイムに短い文章をやり取りする文化を一般に広めた。後のチャット・メッセージアプリの先駆けとなったソフト。
- IDA(IDA Pro)1991ベルギーのHex-Rays社が開発・販売する、商用リバースエンジニアリングの業界標準ツール。実行ファイルを逆アセンブルして解析する分野で長く事実上の定番だった。原型は1991年にIlfak Guilfanovが書いたDOS用ツールで、後に商用の「IDA Pro」へと育った。高機能版は年間数十万〜数百万円と高額だが、機能を絞った無料版「IDA Free」も提供されている。
- Emacs1976拡張性を極限まで追求したテキストエディタ。Lispで自由にカスタマイズでき、メール・ファイル管理・果てはゲームまで動く「エディタを超えた環境」。Vimとの宗教戦争でも知られ、半世紀近く熱心な使い手に支えられている。
- IrfanView1996非常に軽量な画像ビューア。膨大な形式に対応し、起動の速さと簡易編集で長く定番として使われ続けている。
- Inkscape2003無料・オープンソースのベクター画像エディタ。SVGを標準形式とし、Illustratorの代替として広く使われる。
- Internet Archive1996Webページや書籍・ソフトを大規模に保存している非営利のデジタル図書館。Wayback Machineで過去のサイトを遡れることで知られる。消えていく情報を残すという、ネット文化のもう一つの良心とも言える存在。
- Winamp1997MP3再生で一世を風靡した音楽プレイヤー。見た目を自由に着せ替えるスキン機能が人気で、自分のPCを飾る楽しさを広めた。MP3とともにあった、ネット音楽黎明期の象徴的ソフト。
- Vim1991viを継承した、キーボードだけで高速に編集できるテキストエディタ。モードを切り替えて操作する独特の流儀は習得が難しいが、慣れると手放せなくなる。サーバー上での編集など、今も現役で使われ続ける道具。
- WinMX2000かつて広く使われたP2Pファイル共有ソフト。ファイル交換文化の中心となったが、著作権問題の象徴ともなった。
- WinRAR1995.rar形式を扱える定番の圧縮・解凍ソフト。試用期間が終わっても使い続けられる「永遠の試用版」として有名で、半ば伝説的に親しまれた。世界中のWindows PCに入っていた、もう一つの圧縮ソフトの代表。
- AviUtl1997日本製の無料の動画編集・加工ソフト。プラグインで大きく拡張でき、ニコニコ動画など投稿文化を技術面で支えた立役者。
- NScripter1999日本製のノベルゲーム制作ツール。軽量なスクリプトで動き、多くの同人ノベルゲームに使われた。
- FFFTP1997日本製のFTPクライアント。個人サイト全盛期にファイル転送の定番として広く使われた。後にオープンソース化され引き継がれている。
- LHA吉崎栄泰氏が開発した日本発のファイル圧縮アーカイバ。.lzh形式は日本のPC通信やフリーソフト配布の標準として長く使われた。無償で公開された圧縮技術が、限られた回線容量の時代の文化を支えた。
- Audacity2000無料・オープンソースの音声編集ソフト。録音・切り貼り・エフェクトが手軽にでき、podcastや動画制作の定番。
- OBS Studio2012無料・オープンソースの配信/録画ソフト。実況・ライブ配信文化を技術面で支え、事実上の標準となった。
- OpenOffice.org2000無料のオフィススイート。商用Officeの代替として広まり、後にLibreOfficeへと主流が移っていった。
- Opera1995ノルウェー発のWebブラウザ。タブブラウズやマウスジェスチャなど先進機能を早くから取り入れ、軽量さで根強い支持を得た。
- Git2005リーナス・トーバルズが作った分散型のバージョン管理ソフト。誰がいつ何を変えたかを記録し、大勢での共同開発を支える。GitHubなどとともに、現代のソフト開発に欠かせない道具になった。
- 起動USB作成ツールOSのインストールイメージをUSBメモリに書き込み、起動可能にするツール群。光学ドライブの衰退とともに必需品となった。
- Ghidra2019アメリカのNSA(国家安全保障局)が長年自社開発し、2019年にオープンソースとして一般公開したリバースエンジニアリングツール。コンパイル済みの実行ファイルを逆アセンブル・逆コンパイルし、機械語の塊からプログラムの構造を読み解ける。無料でありながら商用のIDAに匹敵する機能を持ち、静的解析の定番として一気に普及した。
- 吉里吉里1998日本製のノベルゲーム制作エンジン。スクリプトで分岐や演出を記述でき、同人ビジュアルノベル文化を技術面で支えた。
- GIMP1996無償で使える高機能な画像編集ソフト。Photoshopの代替を目指したオープンソースプロジェクトで、レイヤーやフィルタなど本格的な機能を備える。お金をかけずに本気の画像編集ができる選択肢を広く提供してきた。
- Krita無料・オープンソースのペイントソフト。デジタル絵に特化し、ブラシ表現の豊かさでイラスト制作に広く使われる。
- サクラエディタ1998日本製のオープンソースのテキストエディタ。Windowsで軽快に動き、正規表現や強調表示を備え、多くの開発者・物書きに長く使われてきた。
- Thunderbird2003Mozillaによる無料・オープンソースのメールソフト。Firefoxの兄弟として登場し、長く定番のデスクトップメーラーとなっている。
- Janetterかつて人気を集めたTwitterのデスクトップ・クライアント。API制限の変化で多くのサードパーティ製クライアントが姿を消した時代を象徴する。
- Susie1994プラグインを足すことで多様な画像形式を表示できた、定番の国産画像ビューア。「Susieプラグイン」という拡張の仕組みが広まり、他のソフトでも画像読み込みに流用されるなど、画像まわりの文化に大きな影響を残した。
- Stirling1998世紀末に広く使われた、定番のバイナリエディタ。ファイルの中身を16進数で直接眺めて書き換えられる。並んだ数字の中に文字列やパスといった「人間が読める痕跡」が浮かび上がる瞬間に、低レイヤの面白さが詰まっている。
- Snes9x1997スーパーファミコンのソフトをPC上で動かすエミュレータ。正確なエミュレーションと使いやすさから定番として親しまれ、レトロゲーム保存やROM解析・デバッグの現場でも活躍する。当時の機械を今の環境で動かす橋渡し役。
- sed1974ストリームエディタ。テキストを1行ずつ受け取り、置換や抽出を行うUnixの定番コマンド。スクリプトの中で重宝される。
- 7-Zip1999オープンソースの圧縮・解凍ソフト。高圧縮の7z形式と多形式対応で、無料の定番アーカイバとして広く使われている。
- Turbo Pascal1983Borland社が出した統合開発環境つきのPascalコンパイラ。エディタとコンパイラを一体化し、極めて高速なコンパイルと安価さで一時代を築いた。後の統合開発環境の原型のひとつ。
- ダウンロード支援ソフト細い回線の時代に、分割ダウンロードや中断再開でファイル取得を助けたツール群の総称。回線が不安定だった頃の必需品だった。
- ChatGPT2022OpenAIが公開した対話型のAIサービス。自然な文章で質問に答え、文章作成やプログラミングまでこなす。公開直後に爆発的に広まり、生成AIを一般の人々の日常に持ち込んだ象徴的な存在。
- dBASE1980初期のパソコン向けデータベース管理ソフト。独自のコマンド言語を持ち、業務アプリ開発の定番として広く使われた。多くの互換製品(xBase)を生んだ。
- Tera Term1994日本発のターミナルエミュレータ。telnet/SSH接続やマクロ機能を備え、サーバ管理や組み込み開発の現場で長く定番として使われている。
- TeraPadシンプルで軽い国産のフリーのテキストエディタ。余計な機能をそぎ落とした使い心地で、プログラミングやHTML書きの入口として広く使われた。素朴な道具が長く愛される好例。
- Docker2013アプリとその動作環境をひとまとめに箱詰めして、どこでも同じように動かせるようにするソフト(コンテナ技術)。環境の違いに悩まされる問題を和らげ、クラウド時代の開発・運用を大きく変えた。
- Netscape Communicator1997Netscape社のブラウザにメール等を統合したスイート。ブラウザ戦争のさなかに登場し、後にソースが公開されMozilla/Firefoxの源流となった。
- Notepad++2003Windows向けの軽量なテキストエディタ。多言語の構文強調やプラグインを備え、無料エディタの定番として広まった。
- PuTTY1999Windows向けの軽量なSSH/telnetクライアント。サーバ管理者に長く使われ続けている定番ツール。
- VisiCalc1979世界初の本格的な表計算ソフト。数字を入れ替えると関連する計算が一斉に更新される仕組みが画期的で、これ目当てにApple IIを買う人が続出した。「これがやりたいから機械を買う」キラーソフトの元祖。
- 秀丸エディタ日本で長く愛用されてきた定番のテキストエディタ。軽快な動作とマクロによる強力なカスタマイズで根強い支持を集め、シェアウェアながら現在も開発が続く。日本のPC文化を支えた国産ソフトの一つ。
- ファイル共有ソフトP2Pでファイルを交換するソフト群の総称。ネットワーク越しに直接やり取りする仕組みは、著作権や情報流出の社会問題とも結びついた。
- FileZilla2001無料・オープンソースのFTPクライアント。クロスプラットフォームで動き、現代のファイル転送の定番のひとつ。
- Visual Studio Code2015マイクロソフトが公開した無料のコードエディタ。軽快さと豊富な拡張機能で急速に広まり、多くの開発者の標準的な作業道具になった。Web技術で作られている点も特徴。
- VLC media player2001ほぼあらゆる形式を追加コーデックなしで再生できるオープンソースのメディアプレイヤー。「困ったらVLC」の定番。
- foobar20002002高度にカスタマイズできる軽量な音楽プレイヤー。音質重視・拡張性重視のユーザーに長く支持されている。
- Photoshop 1.01990Adobeの画像編集ソフトの最初のバージョン。写真をデジタルで加工するという作業を一般に広め、「フォトショ」という言葉が画像加工そのものを指すまでになった。創作と編集の道具の定番。
- Blender 最古ソース1994現存する最古のBlenderのソースコード。中心となるblender.cはわずか80バイトほどしかなく、後に巨大な3D制作ソフトへ育つソフトの「誕生の日」を読める貴重な記録。1994年1月2日のソースとして知られる。
- ペイント(MS Paint)1985Windowsに標準で付属する素朴なお絵描きソフト。本格的な機能はないが、誰のPCにも必ずあるという気軽さで、多くの人の初めての画像編集体験になった。ドット単位で絵を打つ原始的な楽しさが今も残る。
- Becky! Internet Mail1996日本製のメールソフト。軽快さと細かな振り分け・カスタマイズ性で長く愛用された定番。シェアウェア文化の代表例のひとつ。
- MikuMikuDance2008無料の3Dアニメーション制作ソフト。初音ミク等のモデルを躍らせる動画文化を生み、個人が3D映像を作る裾野を一気に広げた。
- Media Player Classic2003軽量で多くの動画形式を再生できるフリーの動画プレイヤー。古いWindows Media Player風の見た目ながら、コーデックを揃えればほぼ何でも再生できることから定番として広く使われた。重い純正プレイヤーへの静かな抵抗。
- Lhaplus多数の圧縮形式に対応した国産のフリー解凍ソフト。Windowsで.lzhや.zipなどを右クリックひとつで扱える手軽さから、定番ツールとして広く普及した。フリーソフト全盛期の「とりあえず入れる」一本。
- RealPlayer1995初期のインターネット上でストリーミング再生を実現したメディアプレイヤー。回線が細い時代に音声・動画を逐次再生できることで広まった。
- LibreOffice2010OpenOfficeから派生した無料・オープンソースのオフィススイート。文書・表計算・プレゼンを扱える。
- Lunar Magic2000『スーパーマリオワールド』のステージ改造に特化した、海外発の定番ツール。ROMの内部データを読み解いてマップやグラフィックを編集でき、長年にわたり世界中のマリオ改造(ハック)文化を支えてきた。特定の一作に深く根を張った、解析ツールの一つの到達点。
- Lotus 1-2-31983表計算・グラフ・データベースを統合した表計算ソフト。IBM PC時代に絶大なシェアを誇り、ビジネス用パソコン普及の原動力となった。後にExcelに置き換えられていった。
- 六角大王1992線画を描くだけで立体を作れる、独自の発想で知られた国産3Dモデリングソフト。2次元のドローツールと同じ要領で描いた絵から、左右対称性をもとに奥行きを自動計算して3D形状を起こす。1990年の雑誌掲載BASICプログラムに始まり、PC-9801版・Macintosh版を経てWindows版・製品版「六角大王Super」へ発展。人体モデリングに強く、キオ式初音ミクなどMMDのモデル作成にも使われ、後のVTuber文化の土台を下支えした。
- WordStar1978初期に広く普及したワープロソフト。キーボードだけで文章を編集する操作体系を確立し、多くの物書きに使われた。一部の作家が今も愛用していることでも知られる、息の長いソフト。
- WordPerfect1979DOS時代に広く使われたワープロソフト。独特のキー操作と「画面に書式記号を表示する」機能で知られ、Word普及前の定番だった。
- YY-CHRレトロゲームのROMに入っているドット絵(キャラクタデータ)を直接見て編集できるツール。8ビット・16ビット機のグラフィック形式を扱え、ROM解析や改造の定番道具として親しまれている。
プロトコル
- ISO-2022-JP1993電子メールで日本語をやり取りするために使われた文字コード。7ビットの範囲だけで日本語を送れるよう設計され、インターネット黎明期のメール環境で確実に文字を届ける役割を担った。
- ISO-8859-1(Latin-1)1987ASCIIに西欧言語のアクセント記号などを加えた1バイトの文字コード。英語に加えてフランス語やドイツ語などをカバーし、ISO/IEC 8859シリーズの代表として広く使われた。
- UTF-161996Unicodeを16ビット単位で表す符号化方式。基本的な文字は2バイト、それを超える文字はサロゲートペアという2つの組で表す。WindowsやJava、JavaScriptの内部処理で使われている。
OS
- iOS2007AppleのiPhone向けOS。指で直接画面に触れる操作を一般に広め、スマートフォンの使い方の標準を作った。アプリを配信するApp Storeとともに、モバイル時代を切り開いた。
- Android2008Googleが主導する、Linuxを土台にしたスマートフォン向けOS。多くのメーカーが採用し、世界でもっとも使われるモバイルOSになった。手のひらの中でLinuxが動いている、という見方もできる。
- Windows 1.01985MS-DOS上で動くGUIシェルとしてのWindowsの最初期版。ウィンドウやマウス操作を持ち込んだが当時は性能が追いつかず普及しなかった。後に大成功するWindowsシリーズの、ぎこちない第一歩。
- Windows XP2001安定性と使いやすさで広く愛された、マイクロソフトの定番OS。サポート終了後も長く使われ続け、企業や組み込み機器で「なかなか手放せないOS」の代表になった。
- Windows 951995スタートメニューやタスクバーを導入し、一般家庭にPCを大きく広げたOS。発売は社会現象になり、インターネットの普及とも重なって「家にパソコンがある」時代の象徴になった。
- Windows 981998Windows 95を改良し、インターネット利用を前提に作られた家庭向けOS。USB対応も進み、家庭でネットに繋ぐのが当たり前になりつつある時代を支えた。多くの人にとって「初めて家でネットをした」OSでもある。
- Windows 3.11992MS-DOSの上で動いたグラフィカルな環境。商業的に大きく成功し、PCにGUIを一般家庭・オフィスへ広めた版。日本語版とともに国内でも普及し、Windows 95へ至る道を整えた、過渡期の重要な一枚。
- Windows 72009Vistaの反省を踏まえ、安定性と使いやすさで広く支持されたWindows。長く定番OSとして使われ続けた。
- Windows 20002000NT系の業務向けWindows。安定性で高く評価され、後のXPへと続くNT系デスクトップの土台となった。
- Windows Vista2007派手な視覚効果と新セキュリティを導入したWindows。重さや互換性で不評も買い、7への橋渡し役となった。
- Windows Me20009x系最後の家庭向けWindows。安定性の評判は芳しくなく、短命に終わったが、9x系の幕引きを象徴する。
- MS-DOS1981マイクロソフトがIBM PC向けに提供したコマンドライン方式のOS。文字を打ってコンピュータを操作する時代を象徴し、後のWindowsの土台になった。今もWindowsの「コマンドプロンプト」にその面影が残る。
- MS-DOS(PC-98版)1983PC-9801上で広く使われた日本語環境のMS-DOS。漢字を扱う独自の工夫を重ねながら、国産PCのビジネスとゲームを長く支えた。海外のDOS文化とは少し違う、日本独自のコマンドライン時代を形作った。
- OS/21987IBMとマイクロソフトが共同で開発したPC用OS。技術的には優れていたが、Windowsの台頭と販売戦略の差で主流になれなかった。「もう一つあり得た未来」として語られることの多い、敗れたOSの代表格。
- Mac OS 漢字Talk初期の日本語版MacのSystem(漢字Talk)。日本語環境を整えたMac OSとして、デザインやDTPの現場に広まった。
- Chrome OS2011ブラウザを中心に据えた、Googleの軽量OS。アプリの多くをWeb上で完結させる発想で、安価なChromebookに搭載され教育現場などに広まった。「PCの仕事はブラウザの中へ」という流れを体現したOS。
- CP/M1974ゲイリー・キルドールが作った、初期8ビットマイコン向けの定番OS。多くのビジネスソフトが動き、パソコン用OSの事実上の標準だった。IBM PC向けOSの座をMS-DOSに奪われた逸話は、業界史でよく語られる。
- Solaris1992Sun MicrosystemsのUNIX系OS。サーバ用途で高い信頼性を誇り、ZFSやDTraceなど先進機能を生んだ。
- TRON(BTRON/ITRON)1984坂村健が主導した国産のOS構想。とくに組み込み向けのITRONは家電や機器の中で広く使われ、表に出ないまま日本の製品を支え続けた。PC向けのBTRONは普及しなかったが、思想は今も語り継がれている。
- HaikuかつてのBeOSの理念を引き継ぐオープンソースOS。応答性の良さを目指し、消えたOSの思想を現代に蘇らせる試み。
- BeOS1995マルチメディア処理を重視して、ゼロから設計された先進的なOS。動作が軽快で熱心なファンを生んだが、商業的には広がらず姿を消した。今もオープンソースの後継(Haiku)として復元・継承が続く、惜しまれたOSの代表。
- Plan 91992ベル研究所がUnixの次として作った研究OS。「すべてはファイル」を徹底し、分散の思想で後世に影響を与えた。
- FreeBSD1993UNIXの流れをくむオープンソースOS。安定性に定評があり、サーバーやネットワーク機器の裏側で長く使われてきた。Linuxほど目立たないが、堅実な技術として今も支持される、もう一つのUNIX系の系譜。
- Macintosh System (Classic Mac OS)1984Appleが初代Macintosh向けに作ったGUI中心のOS。マウスとアイコン、デスクトップという操作を一般に広めた先駆けで、その後のパソコンの使い方の標準を形づくった。Mac OS Xへの移行まで長く使われた。
- Mac OS X2001AppleがUNIXを土台に作り直したMac向けのOS。安定したUNIX基盤と洗練された見た目を両立し、現在のmacOSへと続く長い系譜の起点になった。
- MINIX1987教育用に作られた小さなUNIX系OS。そのソース公開が、若き日のLinus TorvaldsにLinux開発を促したことで知られる。
- UNIX1969ベル研究所で生まれたOS。小さな道具を組み合わせて使う思想や、ファイルを中心とした設計が後の多くのOSに受け継がれた。C言語とともに育ち、現代のmacOSやLinuxにまでその系譜が続いている。
- Linux1991リーナス・トーバルズが学生時代に公開したUNIX系のOSカーネル。世界中の開発者が協力して育てるオープンソースの代表例となり、サーバーやスマートフォン(Android)など、いまや見えない所で世界を支えている。
規格
- ASCII1963文字を数値に対応づけるための文字コードの基本規格。アルファベットや記号を7ビットの番号で表す素朴な決まりで、これがあったから機械同士が文字をやり取りできるようになった。今の文字コードもこの上に立っている。
- EUC-JPUNIX系で広く使われた日本語文字コード。Shift_JISと並ぶ主要なエンコーディングで、Web黎明期にもよく見られた。
- HTTP1991WebブラウザとサーバーがWebページをやり取りするための通信規約。「ください」「どうぞ」という素朴な要求と応答の積み重ねでWeb全体が動いている。普段は意識されないが、すべてのWeb閲覧の裏で働く土台の取り決め。
- SMTP1982電子メールを送るための通信規約。インターネット黎明期に定められ、四十年以上ほとんど形を変えずに使われ続けている。地味だが極めて息の長い規格で、今日のメールも基本はこの上で配送されている。
- SVG2001拡大しても劣化しないベクター画像のXML形式。Web上の図やアイコンに広く使われる。
- XML1998タグで構造を表すデータ記述言語。設定や文書、データ交換に広く使われ、多くの派生規格を生んだ。
- EBCDIC1964IBMのメインフレームで使われた文字コード体系。ASCIIとは別系統で、大型機の世界で長く使われ続けた。
- FTP1971ネットワーク越しにファイルを転送するための古い通信規約。Webサイトの公開やソフトの配布に広く使われ、専用ソフトでサーバーへアップロードする作業は個人サイト時代の定番だった。今はより安全な方式に置き換わりつつある。
- MP31993音楽ファイルを人間の耳に分かりにくい部分を削って小さく圧縮する音声フォーマット。回線が細かった時代に音楽をネットでやり取りできるようにし、デジタル音楽文化を一気に押し広げた。
- LF(ラインフィード)「改行(Line Feed)」を表す制御文字で、16進では 0A。元はタイプライターで紙を1行送る動作を指した。単独での改行コードとしてUNIX・Linux・macOSで採用されており、Windowsの CRLF と並ぶもう一つの主流。改行コードの違いはファイルのやり取りで地味につまずく原因になる。
- OpenGL1992クロスプラットフォームな2D/3DグラフィックスのAPI規格。ゲームやCADなど幅広い分野で長く使われている。
- CR(キャリッジリターン)「復帰(Carriage Return)」を表す制御文字で、16進では 0D。元はタイプライターで印字位置を行の左端へ戻す動作を指した。単独では古いMac(Mac OS 9以前)の改行コードとして使われ、現在はLFと組んだCRLFの一部として残っている。
- CRLFCR(復帰)とLF(改行)の2つの制御文字を続けて並べた、改行の表し方。16進では 0D 0A となる。主にWindowsで採用されており、バイナリエディタでテキストを覗くと、改行のたびにこの「0D 0A」が現れるのが見える。OSによって改行の流儀が違う原因の一つ。
- JSON軽量なデータ交換フォーマット。JavaScript由来の素直な記法で、Web APIのデータ受け渡しの定番となった。
- JPEG1992写真などの画像を、見た目をあまり損なわずに小さく圧縮する画像フォーマット。回線も記憶容量も限られた時代に、画像を扱いやすくしてWebやデジカメの普及を支えた。今も最も身近な画像形式の一つ。
- GIF1987256色までの画像とパラパラ漫画のようなアニメを扱える画像フォーマット。容量が小さく、初期のWebサイトのアイコンや「工事中」アニメで大量に使われた。動く小さな画像という文化を作った、懐かしさの象徴。
- Shift_JIS1982日本語をパソコンで扱うために広く使われた文字コード。Windowsや多くの国産ソフトで標準的に使われ、日本のデジタル文書を長く支えた。今もレガシーなファイルや古いソフトの中で出会う、文字化けの背景にもなる規格。
- DNS1983人が覚えやすいドメイン名を、機械が使うIPアドレスに変換する仕組み。インターネットの電話帳とも呼ばれ、私たちが数字を意識せずサイトへたどり着けるのはこの裏方のおかげ。ネットの根幹を支える分散システム。
- TCP/IP1983世界中のネットワークを相互に接続するための通信規約。データを小さな単位に分けて届ける仕組みで、異なる機械やネットワークをつなぐ共通言語となり、インターネットそのものを成り立たせている。
- PNG1996可逆圧縮と透過に対応した画像形式。特許問題のあったGIFの置き換えとして生まれ、Webで広く使われる。
- MIDI1983電子楽器どうしを繋ぐ演奏データの規格。音そのものでなく演奏情報を送る方式で、DTM文化の土台を作った。
- UTF-81992Unicodeを可変長で表す符号化方式。ASCIIと互換で効率がよく、現在のWebで事実上の標準となっている。
- Unicode1991世界中の文字を一つの体系で扱うための文字コード規格。日本語・中国語から絵文字まで、あらゆる文字に番号を与えることで、言語をまたいだ情報のやり取りを可能にした。文字化けの時代に終止符を打とうとした試み。
人物
- アラン・チューリング1936計算とは何かを理論的に定式化した数学者。「チューリングマシン」という抽象モデルは今もコンピュータ科学の土台になっている。第二次大戦中の暗号解読でも知られ、計算機の理論と実践の両面に深い影響を残した。
- エイダ・ラブレス1843バベッジの解析機関のために、世界初とされるアルゴリズムを書き残した数学者。機械が単なる計算を超えて記号を扱えると見抜いていた点で、プログラミングという概念の先駆者とされる。
- エドガー・ダイクストラ最短経路アルゴリズムや構造化プログラミングで知られる計算機科学者。「goto文有害論」でも有名。
- グイド・ヴァンロッサムPythonの生みの親。読みやすさを重んじる言語設計で、プログラミングの裾野を大きく広げた。
- グレース・ホッパー1959人間に近い言葉でプログラムを書く道(コンパイラやCOBOL)を切り開いた計算機科学者・海軍軍人。機械語を直接書く時代から、人が読める言語で書く時代への橋渡しをした。
- クロード・シャノン情報理論の父。情報を「ビット」で測る考え方を確立し、現代の通信・計算の理論的土台を築いた。
- ケン・トンプソン1969リッチーとともにUNIXを作り、その前身となるB言語やエディタの原型も手がけたプログラマ。実用的で美しいソフトウェアを生み出す名手として知られ、後にGoogleでGo言語の開発にも関わった。
- ジョン・フォン・ノイマン1945プログラムをデータと同じメモリに置く「ノイマン型」の設計をまとめた数学者。この方式は現在のほぼすべてのコンピュータの基本構造になっている。数学から物理、計算機まで広く足跡を残した万能の天才として知られる。
- ジョン・マッカーシーLispの開発者で、「人工知能(AI)」という言葉を提唱した計算機科学者。AIと関数型言語の双方に大きな足跡を残した。
- スティーブ・ウォズニアック1977Apple IIを一人でほぼ設計したエンジニア。限られた部品で巧妙な回路を組む技に優れ、ハードもソフトも自作する「ハッカー」の理想像とされる。技術そのものを面白がる姿勢は、ものづくりの原点を思い出させる。
- ティム・バーナーズ=リー1989World Wide Webを考案したイギリスの計算機科学者。CERN在籍中にURL・HTTP・HTMLを設計し、それを特許で囲わず無償で公開した。Webが誰のものでもない共有物として広がったのは、この決断によるところが大きい。
- デニス・リッチー1972C言語を作り、UNIXの開発を主導した計算機科学者。彼の作った言語とOSは半世紀後の現在もあらゆる機器の土台で動き続けており、現代のソフトウェアの基礎を築いた人物の一人。
- ドナルド・クヌース1968アルゴリズムの体系をまとめた大著『The Art of Computer Programming』で知られる計算機科学者。組版ソフトTeXの作者でもある。何十年もかけて一つの仕事を磨き続ける姿勢そのものが、技術者の理想として語られる。
- ハワード・エイケン初期の大型計算機Harvard Mark Iの開発を主導した。電気機械式計算機の時代を代表する技術者。
- ビャーネ・ストロヴストルップC++の生みの親。C言語にオブジェクト指向を加え、長くシステム開発を支える言語を作り上げた。
- マーガレット・ハミルトンアポロ計画の飛行ソフトウェアを率いた技術者。「ソフトウェア工学」という言葉を広めたことでも知られる。
- 宮本茂任天堂のゲームデザイナー。マリオやゼルダを生み出し、家庭用ゲームの表現と遊びの設計に決定的な影響を与えた。
- リーナス・トーバルズ1991学生時代にLinuxカーネルを作り公開したプログラマ。世界中の開発者が協力して育てるオープンソース開発のあり方を体現し、バージョン管理システムGitの作者でもある。
概念
- 暗号化情報を第三者に読めない形へ変換し、正しい鍵を持つ人だけが元に戻せるようにする技術。古くは軍事・外交の道具だったが、今ではWeb通信やデータ保護に欠かせない。プライバシーとセキュリティの根幹をなす考え方。
- AIエージェント2024指示を受けて自分で手順を考え、道具を使いながら仕事を進めるAI。単に答えるだけでなく「動いて成し遂げる」方向へAIが進んだ段階で、2024年以降に開発や業務での活用が広がった。
- エミュレーションあるハードウェアの動きを別の機械の上でソフトウェアとして再現する技術。古いゲーム機やPCを今の環境で動かし、失われゆく作品やソフトを保存する役割も果たす。レトロゲーム解析にとっては欠かせない土台技術。
- エンディアン多バイトのデータをメモリにどの順で並べるかの流儀。リトル/ビッグの違いはバイナリ解析で必ず意識する点。
- オープンソース1998ソースコードを公開し、誰でも自由に使い・改変し・再配布できるようにするソフトウェアのあり方。みんなで協力して育てる開発スタイルを広め、LinuxやWebの土台を支える文化になった。
- オブジェクト指向1967データとそれを扱う処理を「オブジェクト」としてまとめて考える設計の考え方。Simulaで芽生えSmalltalkで確立し、C++やJavaを通じて主流になった。大きなプログラムを部品に分けて扱う、長く使われてきた発想。
- 拡散モデル2020ノイズだらけの状態から少しずつ整えて画像を生み出す仕組みのAI。テキストから絵を描く画像生成AIの中核技術となり、2022年以降の画像生成ブームを支えた。
- 仮想化1999一台の物理的な機械の上で、複数の仮想的なコンピュータを動かす技術。ハードを効率よく使えるようにし、後のクラウドやサーバー運用の基盤になった。
- 仮想記憶物理メモリより大きな記憶空間があるように見せる仕組み。各プログラムに独立した広いアドレス空間を与える。
- ガベージコレクション1959使われなくなったメモリを自動で回収する仕組み。LISPで生まれ、JavaやC#などに受け継がれた。手作業のメモリ管理から解放することで、プログラマがバグの一因から離れられるようにした地味だが重要な技術。
- 関係データベース1970データを表(テーブル)の形で整理し、互いの関係をたどって扱うデータベースの方式。エドガー・コッドが理論を示し、SQLとともに業務システムの標準になった。半世紀にわたりデータ管理の土台であり続けている。
- 機械学習1959大量のデータから規則やパターンをコンピュータ自身に学ばせる手法。明示的に手順を書く代わりに「学習」させる発想で、アーサー・サミュエルがこの語を広めた。画像認識や音声認識、後の深層学習・生成AIへとつながる土台になった。
- キャッシュメモリCPUのそばに置かれる、小容量だが非常に高速な記憶装置。よく使うデータを手元に置いておくことで、遅いメインメモリへのアクセスを減らし処理を速める。容量と速度のバランスを取る、コンピュータ高速化の重要な工夫の一つ。
- クライアントサーバ1980サービスを提供する側(サーバ)と利用する側(クライアント)に役割を分けて処理する仕組み。Webもメールもこのモデルでできており、ネットワークを使うシステムの基本構造として広く根づいた考え方。
- クラウドコンピューティング2006サーバーや保存領域を自分で持たず、ネット越しに必要なだけ借りて使う仕組み。Amazonなどが提供を始め、自前の機械をそろえずにサービスを作れる時代を切り開いた。
- コンパイラ1952人が書いたプログラムを、機械が実行できる形へ翻訳するソフトウェア。グレース・ホッパーらの仕事に源流があり、高水準言語が実用になる前提を作った。普段は意識されないが、あらゆる開発を裏で支える縁の下の力持ち。
- 再帰処理が自分自身を呼び出す考え方。木構造の探索や分割統治など、簡潔で強力なアルゴリズムを生む。
- サロゲートペア199616ビットでは収まりきらない文字を、2つの16ビットの組み合わせで表すUnicodeの仕組み。これにより表現できる文字数が約111万まで広がり、膨大な漢字や絵文字を扱えるようになった。
- CJK統合漢字1991中国(C)・日本(J)・韓国(K)で由来が同じで形も似た漢字を、Unicode上で同じ番号にまとめたもの。限られた領域に膨大な漢字を収めるための工夫だが、国ごとの字形の違いをめぐって論争を呼んだ。
- CPU計算や命令の実行を担う、コンピュータの頭脳にあたる部品。プログラムの命令を一つずつ読み取り、計算し、結果を返す。一度に扱えるビット数(8bit・64bitなど)や処理速度がコンピュータの性能を大きく左右する、最も中心的な装置。
- GUI1973アイコンやウィンドウを画面に表示し、マウスなどで直感的に操作する仕組み。ゼロックスのパロアルト研究所で原型が作られ、MacやWindowsで一般化した。コマンドを打つ世界から、見て触れる世界への大きな転換点。
- ThinClient/シンクライアント処理やデータをサーバ側に集約し、手元の端末は最小限にする方式。管理のしやすさやセキュリティを狙った構成。
- 深層学習(ディープラーニング)2012人間の脳を模した多層のネットワークで学習する手法。2012年の画像認識コンペでの圧勝をきっかけに一気に注目され、現代のAIブームの起点になった。
- 生成AI2022文章・画像・音声などを新しく作り出すAIの総称。2022年のChatGPTや画像生成AIの登場で一気に広まり、創作や仕事のやり方を大きく揺さぶった。情報技術が一般の生活に最も近づいた現象の一つ。
- 静的解析プログラムを一切実行せずに、ファイルそのものを分解・可視化して内部の構造やロジックを読み解く手法。逆アセンブラやデコンパイラ(Ghidra・IDAなど)で機械語を読む。防御機構のない古いソフトはこれだけで多くの情報が得られ、リバースエンジニアリングの入口になる。
- 大規模言語モデル(LLM)2018膨大な文章を学習し、人間に近い文章を生成できるAIモデル。質問への回答や文章作成、プログラミング支援まで幅広くこなし、2020年代のAI活用の中心になった。
- チェックサムデータの誤りを検出するための小さな検査値。通信や保存でデータが壊れていないかを確かめるのに使う。
- デバッガプログラムを1ステップずつ実行しながら、CPUのレジスタやメモリ、アセンブリコードの動きを直接追跡・変更できるツール。本来はバグ取りの道具だが、動的解析やレトロゲームの解析でも中核的に使われる。
- 動的解析実際に動いているプログラムの挙動を追いかけて仕組みを解き明かす手法。デバッガでCPUのレジスタやメモリを1ステップずつ追う、システムコールやネットワーク通信を記録するなど。暗号化・難読化で静的解析が阻まれる場合の次の一手になる。
- Transformer2017Googleの研究者が発表した深層学習の構造。文の中でどの単語が重要かに「注意」を向ける仕組みで、長い文脈を扱えるようにした。これが後の大規模言語モデルや生成AIすべての土台になった。
- バイト8つのビットをまとめた情報の単位。1バイトで256通り(0〜255)を表せ、文字1つ分の大きさの基準として広く使われる。KB・MB・GBといった容量表示も、このバイトを土台に積み上がっている。コンピュータが情報を数える基本のものさし。
- ハッシュ関数任意のデータを固定長の値に変換する関数。データ照合・改ざん検出・パスワード保護などに広く使われる。
- 半導体電気を通したり通さなかったりする材料。トランジスタや集積回路の素材であり、あらゆる電子機器の根幹をなす。
- ビットコンピュータが扱う情報の最小単位。「Binary Digit(2進数の桁)」の略で、0か1の2つの状態だけを表す。この最小の単位を束ねることで、数値も文字も画像も、あらゆる情報がコンピュータの中で表現されている。8bit・16bitといった呼び方の「bit」もこれを指す。
- ブロックチェーン2008取引記録を鎖のようにつなぎ、みんなで分散して持ち合うことで改ざんを防ぐ仕組み。ビットコインを支える技術として登場し、中央の管理者なしで信頼を作る発想で注目された。
- マイクロプロセッサ1971CPUの機能を一枚の小さな集積回路(チップ)に収めたもの。MPUとも呼ぶ。世界初とされるIntel 4004の登場により、計算の中枢を手のひらサイズに収められるようになり、パソコンや家電が一気に広がる土台になった。
- マルチモーダルAI2023文章だけでなく画像・音声なども一緒に扱えるAI。2023年に登場したGPT-4などが画像を理解できるようになり、AIが「読む」だけでなく「見る・聞く」へと広がった。生成AIが実用の幅を一気に広げた段階。
- メモリアドレスメモリ上のどこにデータがあるかを示す「番地」。CPUはこの番地を指定してデータを読み書きする。番地を表す数の桁数(ビット幅)が、そのコンピュータが直接扱えるメモリの広さを決める。32bitで約4GBまで、というのはこの仕組みによる。
- 有限オートマトン状態と遷移で振る舞いを表す計算モデル。字句解析やプロトコル設計など、幅広い場面の土台となる。
- リバースエンジニアリング完成した製品やプログラムを分解・解析して、その仕組みや設計を読み解く行為。ソフトウェアでは逆アセンブルなどで内部の動きを追う。古いソフトやゲームの「痕跡」を読む作業の中核であり、この営みの最大の武器。
- レジスタCPUのすぐ内側にある、ごく小さく非常に高速な記憶場所。計算の途中の値や、いま扱っているデータを一時的に置く「作業机の上」にあたる。レジスタのサイズ(ビット幅)が、CPUが一度に処理できる情報量の目安になる。
- 割り込み実行中の処理を一時中断し、緊急の事象に対応する仕組み。入出力やリアルタイム処理を成り立たせる基礎概念。