ActionScript
Adobe Flash上で動くプログラミング言語。Webのアニメやゲームを動かし、Flash全盛期を支えたが、Flashの終焉とともに役目を終えた。
時代背景
Wikipedia英語版によれば、初期のFlashコンテンツはアニメーションが主目的で対話的な機能はごくわずかだった。ボタンやフレームに「アクション」と呼ばれる単純な命令(play・stop・getURL・gotoAndPlayなど)を割り当てられる程度だったが、1999年のFlash 4で変数・式・演算子・if文・ループを備えた小さなスクリプト言語へと成長した。社内では「ActionScript」と呼ばれていたが、当時のFlash 4ユーザーマニュアルやマーケティング資料では引き続き「actions(アクション)」という語が使われていたという。
名前の由来
ActionScriptという名前は、Flashのボタンやフレームに割り当てる短い命令群が「アクション(action)」と呼ばれていたことに由来する。Wikipedia英語版によれば、この命令セットが2000年のFlash 5でプロトタイプベースの本格的なスクリプト言語として独立した際に、正式に「ActionScript」という名前が与えられた。Macromedia公式サイトの2006年当時のアーカイブ(Wayback Machine保存)では、ActionScriptは「Flash Playerランタイムのプログラミング言語」と説明されており、そのままアニメーション制作の延長にある道具として位置づけられていたことがうかがえる。
種類・系譜
ActionScriptには大きく3つの世代がある。ActionScript 1.0(Flash 5・2000年)はJavaScriptやECMA-262の影響を受けたプロトタイプベースの言語だった。ActionScript 2.0(Flash MX 2004)ではclass・extendsといったキーワードによるコンパイル時の型チェックとクラスベースの構文が導入されたが、実行時にはActionScript 1.0のバイトコードに変換され後方互換性を保った。ActionScript 3.0(2006年6月登場)は言語の根本的な再設計であり、AVM2という新しい仮想マシン上で動作し、旧来のActionScriptコードに比べ実行速度が最大10倍になったとWikipedia英語版は述べている。
消えた理由
ActionScriptの命運はFlash Playerそのものの命運と直結していた。Flashは長らくWebのアニメーション・動画・リッチなインタラクティブコンテンツの標準的な実行環境だったが、モバイル端末での動作の重さやセキュリティ上の懸念、そしてHTML5・JavaScriptなどオープンな標準技術の台頭により、次第に採用が減っていった。Wikipedia英語版によれば、Adobeは2020年にFlash Playerのサポートを終了し、これによりActionScriptの主要な実行環境が事実上失われ、ActionScriptの主流としての役目は終わった。
関連項目
- Adobe FlashWeb上でアニメーションやゲーム、動画を動かすために広く使われた技術。個人制作のFlash動画やゲームが集まる文化を生み、賑やかなWebの一時代を作った。セキュリティと標準化の流れの中で2020年に終了した。
- JavaScriptNetscapeのブラウザに組み込むために、ごく短期間で作られたスクリプト言語。Webページに動きを与える言語として広まり、いまやブラウザだけでなくサーバーまで動かす、Webに不可欠な言語へと育った。