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ハードディスク(HDD)

はーどでぃすくハード1956

回転する磁気円盤に磁気ヘッドで読み書きする大容量の記憶装置。IBMが初号機を発売した当初は巨大で高価だったが、年々小型大容量化し、長くPCの主記憶媒体を担った。後にSSDへ主役を譲りつつある。

概要

回転する磁気ディスクに磁気ヘッドで読み書きする記憶装置。世界初の商用ハードディスクはIBMが1956年に発表したIBM 350 Disk Storage Unitで、IBM 305 RAMAC(Random Access Memory Accounting)システムの主要構成部品として登場した。305は取引記録をその場で処理し、関連する帳簿へ即座に反映できる、当時としては画期的な業務用データ処理機だった。

仕組み

IBM 350は直径24インチの磁気ディスク50枚を1つの軸にまとめ、1,200rpmで回転させる構造だった。ディスク面は1インチあたり20トラック、1インチあたり最大100ビットの密度で記録し、ヘッドとディスク面の間隔は800マイクロインチ。1枚のディスクは50,000セクタに分かれ、各セクタが100文字を保持することで、合計500万文字(5メガバイト)を記憶できた。「シーク」命令を実行すると読み書きヘッドが目的のトラックへ移動し、平均シーク時間は約600ミリ秒だった。

利点と代償

組み立てた状態のIBM 350は幅60インチ・高さ68インチ・奥行29インチという冷蔵庫を並べたような大きさで、月額3,200ドル(リース契約)という高価な設備投資が必要だった。1958年には350をもう1台追加して容量を倍増できる構成も登場し、5・10・15・20メガバイトという段階的な容量選択が可能になった。人力での集計作業に比べて圧倒的に高速で正確という利点と引き換えに、専用の空調・設置スペース・多額のリース費用という代償を伴う設備だった。

現在

IBM 305 RAMACは1961年までに1,000台以上が製造され、IBMが手がけた最後期の真空管システムの1つでもあった。世界初の商用ムービングヘッド式ハードディスクドライブとして、その後数十年にわたる記憶装置の発展の出発点になった。

種類磁気記憶装置
初号IBM 350

関連項目

  • フロッピーディスク薄い磁性体の円盤を使った着脱式の記録メディア。安価で持ち運べる記憶装置としてPC普及期のソフト配布やデータ保存を支えた。容量の小ささから後にCD-ROMやUSBメモリへ置き換わり、いまや保存アイコンの中だけに残る。
  • Zipドライブフロッピーより大容量のリムーバブルディスク。大きなファイルの持ち運び手段として一時広まったが、CD-RやUSBに押された。
  • 磁気コアメモリ小さなフェライトのリングに電流で磁気の向きを書き込み、情報を保持した初期の主記憶装置。電源を切っても消えない不揮発性で、半導体メモリが登場するまでコンピュータの記憶を担った。手作業で配線された姿は工芸品のようでもある。
  • パンチカード厚紙に開けた穴の位置で情報を表した記録・入力メディア。ホレリスが国勢調査の集計に使い、後にIBMの事業の柱となった。プログラムやデータをカードの束で持ち運んだ時代の象徴で、ジャカード織機の発想を受け継いでいる。

関連技術

出典