真空管
しんくうかんハード1904
電流の流れを制御できるガラス管の電子素子。増幅やスイッチングに使え、初期のコンピュータやラジオ・テレビを支えた。発熱と故障の多さが弱点で、後にトランジスタへ置き換わったが、その独特の灯りは今もオーディオ好きを惹きつける。
仕組み
ガラス管の中を真空にし、熱したフィラメント(陰極)から出た電子を、離れた場所にある板(陽極)へ飛ばす。フィラメントと陽極板の間に「グリッド」と呼ぶ格子状(gridiron状)に曲げたワイヤー電極を追加したのがDe Forestの工夫で、グリッドにかける電圧の増減で、フィラメントから陽極板へ流れる電子の量を制御できた。弱い信号で強い電流を操るこの仕組みが、増幅という働きの正体になる。
時代背景
De Forestの発明「Audion」は1905年に作られ、1906年1月に2極管としての特許を出願、同年11月13日に2極管の特許を取得した。3つの電極を持つ三極管(トライオード)としての特許は1908年に取得しており、発明は一度にできたわけではなく段階を踏んでいる。真空度はその後の真空管より高くなかった。
利点と代償
Audion以前の検波器は、アンテナ回路が受け取った電力だけで受話器を鳴らす必要があり、微弱な電波は聞き取れなかった。Audionは電力利得(増幅)をもたらし、弱い送信機からの電波でも遠くから聞こえるようにした。だが真空管はフィラメントを熱し続ける必要があり、発熱・消費電力・故障率の高さという代償を抱えた。
文化的な位置づけ
Audionはラジオ・テレビ・初期のコンピュータまで幅広く使われ、AT&Tが大陸横断の電話サービスを実現できたのも、この増幅の仕組みがあったからだとされる。De Forestは生涯で180件以上の特許を取得し、電子時代の先駆者の一人とされている。
| 種類 | 電子素子 |
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