IBM PC (5150)
あいびーえむぴーしーハード1981
IBMが発売した最初のパーソナルコンピュータ。仕様を公開したオープンな設計だったため互換機(PC/AT互換機)が大量に生まれ、x86とMS-DOSを軸にした巨大なPCエコシステムの起点になった。
年表
19818月12日、IBM PC (5150) が発売される。当初価格は基本構成で1,565ドル
概要
IBMが発売した最初のパーソナルコンピュータ。正式名称は「IBM Model 5150」。それまで大型・中型コンピュータを主戦場としていたIBMが、個人・小規模ビジネス向けの市場に参入した製品として登場した。
仕組み
4.77MHzのIntel 8088マイクロプロセッサを搭載し、MicrosoftのMS-DOSをOSとして採用した。ISAバスと呼ばれる拡張規格を自ら定義し、既製の部品(オフザシェルフ・コンポーネント)を組み合わせて作られたことで、コストを抑えつつ他社が同様の仕組みを再現しやすい設計になっていた。
利点と代償
IBMは仕様を公開する「オープンアーキテクチャ」を選んだ。これにより誰でも同等の機械を作れるようになり、PC/AT互換機という巨大な市場が生まれた一方で、IBM自身がPC市場での主導権を長期的に維持することはできなかった。オープンにしたことが普及の起爆剤にも、後年の求心力低下の一因にもなったとされる。
文化的な位置づけ
オープンな設計により「広くコピー(クローン)された」ことで、ソフトウェア・周辺機器・その他の商品からなる巨大な「エコシステム」の形成につながった。ビジネス分野での普及に先鞭をつけたパソコンとして、業界で最初に広く採用されたPCとされる。
| メーカー | IBM |
|---|---|
| CPU | Intel 8088 |
関連項目
- MS-DOSマイクロソフトがIBM PC向けに提供したコマンドライン方式のOS。文字を打ってコンピュータを操作する時代を象徴し、後のWindowsの土台になった。今もWindowsの「コマンドプロンプト」にその面影が残る。
- x86アーキテクチャIntel 8086に始まるCPU命令セットの系統。IBM PCに採用されて以降、PC市場の事実上の標準となり、後方互換を保ちながら現在まで拡張され続けている。長く生き残った「枯れて強い」アーキテクチャの代表。
- Apple IIスティーブ・ウォズニアックが設計した、初期のヒット家庭用パーソナルコンピュータ。カラー表示と拡張スロットを備え、表計算ソフトVisiCalcの登場とともにビジネスにも普及して、PCが一般に広がる先駆けとなった。
- Altair 8800雑誌の表紙を飾り、自作キットとして売られた初期のマイクロコンピュータ。スイッチとランプだけの素っ気ない箱だったが、ホビイストの心に火をつけた。ビル・ゲイツとポール・アレンがこの機械向けにBASICを書いたことで、マイクロソフトの出発点にもなった。
- Commodore 64世界で最も売れた家庭用パーソナルコンピュータとも言われる8ビット機。安価で音と映像に強く、欧米のデモシーンやゲーム文化を育てた。日本では馴染みが薄いが、海の向こうでは多くの人の「最初のコンピュータ」だった。
- メモリアドレスメモリ上のどこにデータがあるかを示す「番地」。CPUはこの番地を指定してデータを読み書きする。番地を表す数の桁数(ビット幅)が、そのコンピュータが直接扱えるメモリの広さを決める。32bitで約4GBまで、というのはこの仕組みによる。