Apple Lisa
Appleが出したGUI搭載の高価なパソコン。商業的には失敗したが、Macintoshへ続く道を開いた。
概要
Appleが1983年1月19日に発売したパーソナルコンピュータ。5メガバイトのハードディスクを備えたモデルの価格は9,995ドルという高価格だった。ウィンドウとマウスで操作するGUI(グラフィカルユーザーインタフェース)を搭載し、文書中心のワークフロー・メモリ保護機能・あらかじめ用意された7本のオフィスソフト一式を特徴とした。
俗説と実際
Appleは公式には「Lisa」を「Local Integrated Software Architecture」の略だと説明していた。しかし本当の由来については異論があるとされる。スティーブ・ジョブズには1978年生まれの娘リサがおり、ジョブズ自身は伝記作家ウォルター・アイザックソンに「明らかに娘にちなんで名付けた」と語ったとされる。一方、開発者アンディ・ハーツフェルドは、1982年後半にマーケティング担当者が他の候補名を退けたのち、この名前から逆算して頭字語を作ったと明かしたとされる。公式説明と開発者の証言、ジョブズ自身の発言が食い違う、由来に諸説ある事例である。
消えた理由
Lisaはワークステーション並みの高価格、サードパーティ製ソフトウェアの不足、信頼性に難のあった「FileWare(Twiggy)」フロッピーディスクといった要因に苦しんだとされる。さらに、Macintoshの発表・発売が目前に迫っていたことがLisaへの関心を奪う形になったとされる。ジョブズは1980年にLisaプロジェクトから外れた後、Macintoshを、Lisaに似たグラフィカルなコンピュータでありながらより低価格でより直感的なインタフェースを持つ製品として作り直したとされる。Lisaの生産は1986年8月1日に終了し、販売台数は1万台から6万台程度と推定されている。
関連項目
- Macintosh System (Classic Mac OS)Appleが初代Macintosh向けに作ったGUI中心のOS。マウスとアイコン、デスクトップという操作を一般に広めた先駆けで、その後のパソコンの使い方の標準を形づくった。Mac OS Xへの移行まで長く使われた。
- マウス画面上のポインタを動かす入力装置。ダグラス・エンゲルバートが公開デモで世に示し、後にゼロックスやAppleがGUIと組み合わせて普及させた。キーボード以外でコンピュータを操る、直感的な操作の入口を開いた。
- Apple NewtonAppleの携帯情報端末(PDA)。手書き認識を売りにしたが時代に早すぎ、後のスマートデバイスを予感させた失敗作。