MSX
アスキーとマイクロソフトが提唱した、各社共通仕様の家庭用パソコン規格。安価でメーカーをまたいでソフトが動く統一規格として、子供のプログラミング入門機にもなった。日本発の規格として海外にもファンが多い。
概要
アスキーがマイクロソフトと協力して設計した、Zilog Z80ベースの家庭用パソコン共通規格。ビデオにおけるVHSのような、家庭用コンピュータの単一標準を確立しようとする試みとして、1983年秋に登場した。
文化的な位置づけ
ソニー・ヤマハ・パナソニック・東芝・大宇・フィリップスなど、業界の大手企業がMSX機を製造した。アジア(韓国・日本)、南米(ブラジル・チリ)、欧州(オランダ・フランス・スペイン・フィンランド)、旧ソ連で人気を博した一方、アメリカではほぼ無名だった。ロシア教育省は数百台のMSX1・MSX2を購入し、10〜16台をネットワークで繋いだ「コンピュータ教室システム」として学校に導入し、世代を超えたロシアのプログラマーたちがこれらの機器を使って育った。
俗説と実際
MSXという名前の由来は「MicroSoft eXtended BASIC」の略だとよく説明されるが、規格の「発案者」とされる西和彦は、1997年に日本のビジネス誌で発表した記事の中で、それ以上の意味があったと述べている。西によれば、企業と交渉する際に「Matsushita Sony X-machine」(Xはその時話している相手企業を指す)という意味で使っていたといい、当初は「NSX」(Nishi Sony X)や「MNX」(Matsushita Nishi X)という名前も考えたが、「NSX」は既にホンダに使われていたという。2001年のMSXフェアでの講演では「Machines with Software eXchangeability」という意味だと説明した。興味深いことに、MSXが成功しているように見えた時期、マイクロソフトは「MS」の部分を「マイクロソフト」を指すと主張していたが、1986年以降、世界標準になれなかったことが明らかになると、その関連を否定するようになった。 もっとも、MSX Resource Centerの記事自体は最後に「実際のところMSXには特に意味はなく、ただ語呂の良い3文字の組み合わせにすぎない」とも締めくくっている。
消えた理由
MSX1規格は1988年に静かに終わりを迎えたが、その2年前には既にMSX2規格に取って代わられていた。その後もMSX2+、90年代初頭のMSX turbo Rと続き、意図した世界標準にはならなかったものの、豊富なBASIC命令セットと分かりやすいOSのおかげで、教育用途では特に有用な存在であり続けた。
| 提唱 | アスキー / Microsoft |
|---|---|
| CPU | Zilog Z80 |