Zipドライブ
フロッピーより大容量のリムーバブルディスク。大きなファイルの持ち運び手段として一時広まったが、CD-RやUSBに押された。
概要
Iomegaが1995年から2003年にかけて販売したリムーバブルディスクドライブ。容量は100メガバイト版から始まり、後に250メガバイト版、750メガバイト版が登場した。発売時の本体価格はおよそ200ドル、100MBのカートリッジ1枚が20ドル程度だったとされる。フロッピーディスクでは収まらない大きさのファイルを持ち運ぶ手段として、1990年代後半に一時的に広く使われた。
利点と代償
当時のフロッピーディスクの容量では足りない、かつブロードバンドインターネットがまだ普及していなかった時代に、Zipドライブはファイル転送の重要な受け皿となった。DellやGateway、Appleといった大手パソコンメーカーがZipドライブを標準搭載する機種を出したことも普及を後押ししたとされる。
俗説と実際
1998年9月、Iomegaに対して「Click of Death(死のクリック音)」と呼ばれる特定の故障モードをめぐる集団訴訟が起こされ、消費者保護法違反が主張されたとされる。Zipドライブの評価は分かれており、PC Worldは2006年に「史上最悪のテクノロジー製品」の15位に選出した一方、2007年には「史上最高のテクノロジー製品」の23位にも選んでいるとされる。単純に良い製品・悪い製品と割り切れない、当時の評価が割れた製品だったことがうかがえる。
消えた理由
Zipディスクは、価格が下がり続けるCD-RやCD-RWと比べてメガバイトあたりのコストが相対的に高かった。加えてハードディスク自体の容量も大きく伸びたことで外部バックアップメディアへの必要性が薄れ、CD-Rや後のUSBフラッシュメモリといった安価な代替手段の普及とともに市場での存在感を失っていった。
関連項目
- ハードディスク(HDD)回転する磁気円盤に磁気ヘッドで読み書きする大容量の記憶装置。IBMが初号機を発売した当初は巨大で高価だったが、年々小型大容量化し、長くPCの主記憶媒体を担った。後にSSDへ主役を譲りつつある。
- フロッピーディスク薄い磁性体の円盤を使った着脱式の記録メディア。安価で持ち運べる記憶装置としてPC普及期のソフト配布やデータ保存を支えた。容量の小ささから後にCD-ROMやUSBメモリへ置き換わり、いまや保存アイコンの中だけに残る。
- USB周辺機器をPCにつなぐための統一規格。それまで機器ごとにバラバラだった端子を一本化し、抜き差しだけで使える手軽さを実現した。キーボードからストレージ、充電まで担う、現代の事実上の標準コネクタ。