Raspberry Pi
らずべりーぱいハード2012
手のひらサイズの安価なシングルボードコンピュータ。教育や電子工作のために生まれ、Linuxが動く本物のPCを数千円で触れるようにした。学びと自作の裾野を大きく広げた一台。
年表
2012Raspberry Piが発売される
概要
英国のRaspberry Pi財団が開発した、手のひらサイズで安価なシングルボードコンピュータ。教科書1冊分の価格で本物のプログラミングと電子工作ができる機械を目指して作られた。Linux系OSが動き、電子工作用のGPIOピンを備える。
時代背景
開発の直接のきっかけは、ケンブリッジ大学のコンピュータ科学科への志願者数が2000年代に急減したことだった。創設者の一人Eben Uptonは「ケンブリッジほど豊かなコンピューティングの伝統を持つ場所でこの状況は胸が痛んだ」と振り返っている。若い世代の適切なタイミングでハードウェアを手渡せれば、この流れを反転できるかもしれないという発想から、2006年頃に構想が始まった。
利点と代償
設計チームはプログラム可能であること・楽しさ・安さ(当初目標25ドル)・頑丈さの4条件を掲げた。この割り切りにより低価格と気軽さを実現した一方で、性能はデスクトップPCに及ばない。だが「本物のLinuxが動く」という一点は譲らなかったため、教材にとどまらない実用の道具としても使われることになった。
現在
2012年の発売以来、教育・電子工作・産業用途など幅広い分野に広がった。ケンブリッジ大のコンピュータ科学科への志願者数は、2007年頃の約200人から2021年には約1,600人と8倍に増えたと大学自身が報告しており、財団が掲げた当初の目的は一定の成果を上げたとされている。
| 種類 | シングルボードPC |
|---|---|
| OS | Linux系 |
関連項目
- ARMアーキテクチャ消費電力の小ささを強みとするCPU命令セットの系統。スマートフォンやタブレットのほぼすべてに採用され、近年はPCやサーバーにも広がった。モバイル時代の主役となったアーキテクチャ。
- Linuxリーナス・トーバルズが学生時代に公開したUNIX系のOSカーネル。世界中の開発者が協力して育てるオープンソースの代表例となり、サーバーやスマートフォン(Android)など、いまや見えない所で世界を支えている。
- Commodore 64世界で最も売れた家庭用パーソナルコンピュータとも言われる8ビット機。安価で音と映像に強く、欧米のデモシーンやゲーム文化を育てた。日本では馴染みが薄いが、海の向こうでは多くの人の「最初のコンピュータ」だった。
- Apple IIスティーブ・ウォズニアックが設計した、初期のヒット家庭用パーソナルコンピュータ。カラー表示と拡張スロットを備え、表計算ソフトVisiCalcの登場とともにビジネスにも普及して、PCが一般に広がる先駆けとなった。