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Linux

りなっくすOS1991

リーナス・トーバルズが学生時代に公開したUNIX系のOSカーネル。世界中の開発者が協力して育てるオープンソースの代表例となり、サーバーやスマートフォン(Android)など、いまや見えない所で世界を支えている。

年表

19918月25日、トーバルズがUsenetの comp.os.minix に開発中のOSについて投稿
19919月17日、最初のバージョン(Linux 0.01)がFTPサーバにアップロードされる

時代背景

1991年当時、フィンランドの大学生だったリーナス・トーバルズは、自分のIntel 386機で教育用OS「MINIX」を使っていた。MINIXはアンドリュー・タネンバウムが自著の教科書向けに作った小さなUNIX系OSで、学習用途としては優れていたが、ライセンスがソースコードの改変・再配布を制限していた(利用者は変更差分を共有し、各自でコンパイルし直す必要があった)。本物のUNIXを使いたくても大学の設備でしか触れず個人では買えない、という制約もあった。こうした不満が、自分でカーネルを書く動機になった。

名前の由来

トーバルズは開発中のディレクトリ名を「Freax」(free+freak+UNIXのx)としていた。これをFTPサーバ(フィンランドの学術ネットワークFUNET)にアップロードした際、管理者の一人アリ・レムケが「Freax」という名前を好まず、本人に断りなくサーバ上で「Linux」というディレクトリ名に変更した。トーバルズは当初「Linux」を自惚れた名前だと感じ避けていたが、最終的にこの名前を受け入れた。

概要

リーナス・トーバルズが1991年に公開した、UNIX系OSの「カーネル」(OSの中核部分)。厳密には「Linux」単体はカーネルの名称であり、実際に動くOSとして使うにはGNUプロジェクトのツール群などと組み合わせる必要がある(このため「GNU/Linux」と呼ぶべきという議論も存在する)。ソースコードが公開され誰でも改変・再配布できるオープンソースのライセンス(GPL)で提供され、世界中の開発者が協力して育てる体制の代表例となった。

小話

1991年8月25日、トーバルズはUsenetのニュースグループ「comp.os.minix」に、後に有名になる投稿をした。書き出しは「Hello everybody out there using minix - I'm doing a (free) operating system (just a hobby, won't be big and professional like gnu) for 386(486) AT clones.」というもので、「趣味であり、GNUのように大きく本格的なものにはならない」と控えめに書いている。実際に最初のコード(バージョン0.01)がFTPサーバにアップロードされたのはこの投稿より後、1991年9月17日だったことを、トーバルズ自身が2021年にLinuxカーネルのメーリングリストで振り返って確認している。当時は正式な発表をせず、興味を持った数人に私信で知らせただけだったため、tarファイル自体のタイムスタンプが日付の唯一の記録だという。

現在

個人の趣味から始まったLinuxカーネルは、現在では世界中のサーバー・スーパーコンピュータの大半で使われ、GoogleのAndroid(スマートフォン向け)のようにLinuxを土台にした派生OSも巨大な存在になっている。開発は今もトーバルズ本人を中心とした体制でオープンに続けられており、企業も含む多数の開発者がパッチを送り合う協調のモデルは、Linuxが切り開いた開発文化として語られる。

作者Linus Torvalds
ライセンスオープンソース

関連項目

  • UNIXベル研究所で生まれたOS。小さな道具を組み合わせて使う思想や、ファイルを中心とした設計が後の多くのOSに受け継がれた。C言語とともに育ち、現代のmacOSやLinuxにまでその系譜が続いている。
  • AndroidGoogleが主導する、Linuxを土台にしたスマートフォン向けOS。多くのメーカーが採用し、世界でもっとも使われるモバイルOSになった。手のひらの中でLinuxが動いている、という見方もできる。
  • FreeBSDUNIXの流れをくむオープンソースOS。安定性に定評があり、サーバーやネットワーク機器の裏側で長く使われてきた。Linuxほど目立たないが、堅実な技術として今も支持される、もう一つのUNIX系の系譜。
  • オープンソースソースコードを公開し、誰でも自由に使い・改変し・再配布できるようにするソフトウェアのあり方。みんなで協力して育てる開発スタイルを広め、LinuxやWebの土台を支える文化になった。
  • Gitリーナス・トーバルズが作った分散型のバージョン管理ソフト。誰がいつ何を変えたかを記録し、大勢での共同開発を支える。GitHubなどとともに、現代のソフト開発に欠かせない道具になった。
  • GIMP無償で使える高機能な画像編集ソフト。Photoshopの代替を目指したオープンソースプロジェクトで、レイヤーやフィルタなど本格的な機能を備える。お金をかけずに本気の画像編集ができる選択肢を広く提供してきた。
  • Chrome OSブラウザを中心に据えた、Googleの軽量OS。アプリの多くをWeb上で完結させる発想で、安価なChromebookに搭載され教育現場などに広まった。「PCの仕事はブラウザの中へ」という流れを体現したOS。
  • SolarisSun MicrosystemsのUNIX系OS。サーバ用途で高い信頼性を誇り、ZFSやDTraceなど先進機能を生んだ。
  • Dockerアプリとその動作環境をひとまとめに箱詰めして、どこでも同じように動かせるようにするソフト(コンテナ技術)。環境の違いに悩まされる問題を和らげ、クラウド時代の開発・運用を大きく変えた。
  • TRON(BTRON/ITRON)坂村健が主導した国産のOS構想。とくに組み込み向けのITRONは家電や機器の中で広く使われ、表に出ないまま日本の製品を支え続けた。PC向けのBTRONは普及しなかったが、思想は今も語り継がれている。
  • MINIX教育用に作られた小さなUNIX系OS。そのソース公開が、若き日のLinus TorvaldsにLinux開発を促したことで知られる。
  • Raspberry Pi手のひらサイズの安価なシングルボードコンピュータ。教育や電子工作のために生まれ、Linuxが動く本物のPCを数千円で触れるようにした。学びと自作の裾野を大きく広げた一台。
  • リーナス・トーバルズ学生時代にLinuxカーネルを作り公開したプログラマ。世界中の開発者が協力して育てるオープンソース開発のあり方を体現し、バージョン管理システムGitの作者でもある。

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