BeOS
マルチメディア処理を重視して、ゼロから設計された先進的なOS。動作が軽快で熱心なファンを生んだが、商業的には広がらず姿を消した。今もオープンソースの後継(Haiku)として復元・継承が続く、惜しまれたOSの代表。
時代背景
BeOSを開発したBe Inc.は、元Appleの製品開発担当副社長ジャン=ルイ・ガセーらによって設立された会社で、1995年にBeOSを自社ハードウェア「BeBox」向けに発表した。当時のMacやPCがまだ苦手としていたデジタル音声・映像処理を強く意識し、既存OSの遺産を引きずらずゼロから設計されたのが特徴だった。1996年にはAppleがBe Inc.の買収を検討し1億2000万ドルから2億ドルまで提示したが、ガセーが2億7500万ドルを求めて折り合わず破談。Appleは代わりにスティーブ・ジョブズのNeXTを4億2900万ドルで買収する道を選んだ。
消えた理由
技術的には評価が高かったものの、BeOSは商業的に広がらなかった。自社ハードウェアのBeBoxは1997年までに約1800台しか売れず生産終了。OSの主戦場だったPC市場でもWindowsとMacの牙城を崩せなかった。最終的に2001年、Be Inc.はPalmに買収された(報道されている買収額は約1100万ドル)。この買収によりBeOSの開発は事実上終了し、ユーザーは行き場を失った。
現在
BeOSユーザーだったマイケル・フィップスが、消えゆくBeOSを惜しんで2001年8月18日に「OpenBeOS」というオープンソースの再実装プロジェクトを開始した。特定企業に依存しない形でBeOSの理念を存続させることが狙いだった。2004年、Palmの商標を侵害しないよう「Haiku」と改名(BeOS標準ブラウザ「NetPositive」等に見られた俳句調のエラーメッセージに由来)。現在もHaiku OSとして開発が続いており、公式サイトは「シンプルで効率的な個人コンピューティング」というBeOSの理念を継承した無料・オープンソースのOSだと説明している。
| 状況 | 消滅(Haikuが継承) |
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関連項目
- Mac OS XAppleがUNIXを土台に作り直したMac向けのOS。安定したUNIX基盤と洗練された見た目を両立し、現在のmacOSへと続く長い系譜の起点になった。
- Windows 98Windows 95を改良し、インターネット利用を前提に作られた家庭向けOS。USB対応も進み、家庭でネットに繋ぐのが当たり前になりつつある時代を支えた。多くの人にとって「初めて家でネットをした」OSでもある。
- HaikuかつてのBeOSの理念を引き継ぐオープンソースOS。応答性の良さを目指し、消えたOSの思想を現代に蘇らせる試み。