Mac OS X
AppleがUNIXを土台に作り直したMac向けのOS。安定したUNIX基盤と洗練された見た目を両立し、現在のmacOSへと続く長い系譜の起点になった。
時代背景
1990年代半ばのAppleは危機的状況にあった。従来のMac OSは技術的に古びており、後継として社内で進めていた新OS計画「Copland」も失敗に終わった。当時のApple CEOギル・アメリオは社外に新OSの技術を求め、Windows NTカーネルのライセンスまで検討したという。最終的にAppleが選んだのが、スティーブ・ジョブズがApple退職後に設立した会社NeXTだった。1996年12月にNeXT買収を発表し、1997年2月4日に買収完了(現金4億2900万ドル+Apple株150万株)。この買収でNeXTSTEP/OPENSTEPというUNIX系OS技術とジョブズ本人がAppleに戻った。
概要
NeXTの技術を土台に作り直された、Mac向けの新しいOS。UNIX系の安定した基盤の上に、Aquaと呼ばれる新しい見た目のインターフェースを載せた。正式版(10.0、開発コード名Cheetah)はパブリックベータを経て2001年3月24日に129ドルで発売された。開発の中心にいたのは、NeXTでNeXTSTEPの開発に関わっていたAvie Tevanian。中核部分はDarwinという名でオープンソース化されている。
現在
NeXTSTEPから続く系譜は、Rhapsody・Mac OS Xを経て、現在のmacOSへと名前を変えながら続いている。同じUNIX系の基盤は、iOS・watchOS・tvOSといったAppleの他製品のOSにも受け継がれた。Mac OS Xの登場は、危機にあったAppleがジョブズ復帰とともに立て直っていく転換点として語られることが多い。
| 開発元 | Apple |
|---|---|
| 基盤 | UNIX系 |
関連項目
- UNIXベル研究所で生まれたOS。小さな道具を組み合わせて使う思想や、ファイルを中心とした設計が後の多くのOSに受け継がれた。C言語とともに育ち、現代のmacOSやLinuxにまでその系譜が続いている。
- Macintosh System (Classic Mac OS)Appleが初代Macintosh向けに作ったGUI中心のOS。マウスとアイコン、デスクトップという操作を一般に広めた先駆けで、その後のパソコンの使い方の標準を形づくった。Mac OS Xへの移行まで長く使われた。
- iOSAppleのiPhone向けOS。指で直接画面に触れる操作を一般に広め、スマートフォンの使い方の標準を作った。アプリを配信するApp Storeとともに、モバイル時代を切り開いた。
- BeOSマルチメディア処理を重視して、ゼロから設計された先進的なOS。動作が軽快で熱心なファンを生んだが、商業的には広がらず姿を消した。今もオープンソースの後継(Haiku)として復元・継承が続く、惜しまれたOSの代表。
- Windows XP安定性と使いやすさで広く愛された、マイクロソフトの定番OS。サポート終了後も長く使われ続け、企業や組み込み機器で「なかなか手放せないOS」の代表になった。
- Mac OS 漢字Talk初期の日本語版MacのSystem(漢字Talk)。日本語環境を整えたMac OSとして、デザインやDTPの現場に広まった。