辞書へ戻るOSの一覧

TRON(BTRON/ITRON)

とろんOS1984

坂村健が主導した国産のOS構想。とくに組み込み向けのITRONは家電や機器の中で広く使われ、表に出ないまま日本の製品を支え続けた。PC向けのBTRONは普及しなかったが、思想は今も語り継がれている。

概要

坂村健が1984年に提唱した、産学共同のコンピュータ・アーキテクチャ開発プロジェクト「TRON」の総称。単一のOSではなく、組み込み機器向けの「ITRON」・ワークステーション向けの「BTRON」・サーバー/ゲートウェイ向けの「CTRON」・ネットワーク制御向けの「MTRON」という複数の仕様群からなる。目的は、あらゆる機器にコンピュータが組み込まれ相互接続される社会(坂村の言う「HFDS」=高度機能分散システム)を実現することだった。

時代背景

1984年、東京大学理学部の助手だった坂村健を中心に、産学共同のプロジェクトとしてTRONが発足した。坂村自身の1987年の論文では、TRONプロジェクトが目指す「HFDS」を、多数のコンピュータが緩やかに結合し協調動作する異種混在ネットワークとして説明している。プロジェクトが完成した際にはITRON・BTRON・CTRON・MTRON・TRON VLSI CPUが揃うことを構想していた。

現在

ITRONの仕様に基づくリアルタイムOSは、自動車のエンジン制御・デジタルカメラ・携帯電話・工場の機械制御など、世界中の組み込み機器で広く使われ続けている。2023年にはTRONリアルタイムOSファミリーがIEEEマイルストーンとして認定され、東京大学での式典で坂村健本人が表彰を受けた。現在も後継仕様のT-Kernel/μT-Kernelが公式サイト(TRON Forum)を通じて公開・維持されている。

提唱者坂村健
得意組み込み(ITRON)

関連項目

  • ファミリーコンピュータ任天堂の8ビット家庭用ゲーム機。安価で高い表現力を持ち、日本の家庭用ゲーム市場を一気に築いた。コントローラの方向キー+ボタンという操作系は、その後の家庭用ゲーム機の基本形になった。
  • Linuxリーナス・トーバルズが学生時代に公開したUNIX系のOSカーネル。世界中の開発者が協力して育てるオープンソースの代表例となり、サーバーやスマートフォン(Android)など、いまや見えない所で世界を支えている。

関連技術

出典