Windows 1.0
MS-DOS上で動くGUIシェルとしてのWindowsの最初期版。ウィンドウやマウス操作を持ち込んだが当時は性能が追いつかず普及しなかった。後に大成功するWindowsシリーズの、ぎこちない第一歩。
時代背景
Microsoft公式の『Windows Desktop Products History』ページ(Wayback Machine保存版)によれば、多くの長年のPCユーザーはMicrosoft Windowsを1990年発売のWindows 3.0——広く普及した最初のバージョン——から記憶しているが、Microsoftが実際にWindows製品を発表したのはその7年前、1983年のことであり、最初のバージョンが発売されたのは1985年だった。Windows以前、PCユーザーはMS-DOSのコマンドプロンプト(C:\)に文字でコマンドを打ち込む方式に頼っていたと同ページは説明している。
仕組み
Microsoft公式ページによれば、Windows 1.0はビットマップディスプレイとマウスポインティングデバイスを使うアプリケーションを開発・実行するための新しいソフトウェア環境を提供した。Windowsの導入により、ユーザーはマウスを動かしてポイント&クリックでアプリケーションの起動などのタスクをこなせるようになり、また複数のアプリケーションを同時に切り替えて使えるようになった。製品にはMS-DOSファイル管理プログラム、カレンダー、カードファイル、メモ帳、電卓、時計、通信プログラムといったデスクトップアプリケーション一式が含まれ、日々の作業を管理する助けになったという。
名前の由来
Microsoft公式ページによれば、Windows 1.0のタイル状に並ぶウィンドウとグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)は、Windows 1.0の製品パッケージでも大きく打ち出された特徴だった。同ページは、Windows 1.0のGUIに先立って『Interface Manager』という名称の初期製品が存在していたことにも触れている。
消えた理由
Microsoft公式ページによれば、Windows 1.0の次のバージョンであるWindows 2.0(1987年)はIntel 286プロセッサの処理速度向上、拡張メモリ、動的データ交換(DDE)によるアプリケーション間通信を活用したものであり、続くWindows 2.03はIntel 386プロセッサのプロテクトモードと拡張メモリ機能を活用した。そして1990年のWindows 3.0でようやく386プロセッサの新しい波に乗って広く普及するに至った。この経緯からもわかる通り、初期のWindows(1.0・2.0)は当時のハードウェア性能に対してGUI環境の要求が重く、一般に広く使われる段階には達していなかったことがうかがえる。
| 開発元 | Microsoft |
|---|---|
| 形態 | DOS上のGUIシェル |
関連項目
- MS-DOSマイクロソフトがIBM PC向けに提供したコマンドライン方式のOS。文字を打ってコンピュータを操作する時代を象徴し、後のWindowsの土台になった。今もWindowsの「コマンドプロンプト」にその面影が残る。
- Windows 95スタートメニューやタスクバーを導入し、一般家庭にPCを大きく広げたOS。発売は社会現象になり、インターネットの普及とも重なって「家にパソコンがある」時代の象徴になった。
- ペイント(MS Paint)Windowsに標準で付属する素朴なお絵描きソフト。本格的な機能はないが、誰のPCにも必ずあるという気軽さで、多くの人の初めての画像編集体験になった。ドット単位で絵を打つ原始的な楽しさが今も残る。