65C816
ろくごーはちいちろくハード1985
MOS 6502を16ビットに拡張したCPU。1984年に設計が完了し1985年に市場へ出た。8ビットの6502コードとの互換性を保ちながら16ビット処理を可能にし、スーパーファミコンやApple IIGSに採用された。6502の系譜を16ビット時代へ橋渡しした一台。
概要
MOS 6502を16ビットに拡張したCPU。Western Design Center(WDC)が開発し、8ビットの6502コードとの互換性を保ちながら16ビット処理を可能にした。
仕組み
WDC公式の仕様一覧によれば、データバスは8ビットだが、アドレスバスは24ビットで16Mバイトのメモリ・IO空間を扱え、ALU・アキュムレータ・スタックポインタ・インデックスレジスタは16ビット。命令は可変長で91種類、アドレッシングモードは24種類。動作電圧1.8〜5V、動作バス速度は14MHz。
利点と代償
8ビットモードと16ビットモードを切り替えられる互換設計により、既存の6502向けソフト資産を活かしつつ、より広いアドレス空間・データ幅を扱えるようになった。プログラムバンク・データバンクレジスタを分けることで、セグメント化した使い方も16Mバイトの線形アドレッシングも両方できる設計になっている。
種類・系譜
6502の系譜を16ビット時代へ橋渡しした一台。開発元のWDCは、6502の設計に携わったBill Menschが設立した企業で、公式サイトの製品ナビゲーションにも「MENSCH COMPUTER」という項目名が見える。
実例
スーパーファミコンとApple IIGSに採用された。スーパーファミコンでの実例として、画面の明るさを最大にする2命令は次のようになる。
LDA #$0F ; A9 0F Aレジスタに 0F を読み込む
STA $2100 ; 8D 00 21 $2100(画面表示レジスタ)へ書き込む| ビット幅 | 16ビット(8ビット互換モードあり) |
|---|---|
| メーカー | WDC(Western Design Center) |
関連項目
- MOS 6502MOSテクノロジーが作った安価な8ビットCPU。低価格ゆえにApple IIやコモドール、ファミコンなど数多くの機器に採用され、家庭用コンピュータ普及期の主役の一つになった。シンプルな命令系は解析・自作の入口としても親しまれている。
- スーパーファミコン任天堂の16ビット家庭用ゲーム機。豊かな色数と拡大縮小・回転機能で当時の表現力を大きく広げた。ROMカートリッジは暗号化されておらず平文で読めたため、後年のROM解析・改造文化が育つ土壌になった。
- アセンブリ言語機械語の命令を人が読める記号に置き換えた、最も低水準に近い言語。CPUの動きをそのまま書くため習得は難しいが、限界まで速度や容量を絞れる。レトロゲーム解析やROMハックでは、逆アセンブルした先で必ず出会う言語。
- エンディアン多バイトのデータをメモリにどの順で並べるかの流儀。リトル/ビッグの違いはバイナリ解析で必ず意識する点。
- Stirling世紀末に広く使われた、定番のバイナリエディタ。ファイルの中身を16進数で直接眺めて書き換えられる。並んだ数字の中に文字列やパスといった「人間が読める痕跡」が浮かび上がる瞬間に、低レイヤの面白さが詰まっている。
- PC-9801NECの16ビットパソコンで、長らく日本のPC市場で圧倒的なシェアを握った。独自規格ながら膨大なソフト資産を抱え、「98(キュウハチ)」の愛称で親しまれた。Windows/DOS-V互換機の波に飲まれるまで、日本のビジネスとゲームを支えた。