MOS 6502
ろくごーまるにハード1975
MOSテクノロジーが作った安価な8ビットCPU。低価格ゆえにApple IIやコモドール、ファミコンなど数多くの機器に採用され、家庭用コンピュータ普及期の主役の一つになった。シンプルな命令系は解析・自作の入口としても親しまれている。
年表
1975MOSテクノロジーが6502を発売
概要
MOSテクノロジーが1975年に発売した8ビットマイクロプロセッサ。低価格ゆえにApple IIやコモドール、ファミコンなど数多くの機器に採用され、家庭用コンピュータ普及期の主役の一つになった。
時代背景
発売時の価格は25ドルで、当時のIntel 8080やMotorola 6800がおよそ200ドルだったのに対し、桁違いに安かった。この価格差は、最小限の命令セットと、競合の10倍の歩留まりを実現した製造プロセスによるもので、当時MOSテクノロジーで6502を開発したBill Menschの言葉として伝えられている。安さがパーソナルコンピュータ普及の起爆剤の一つになったとされる。
種類・系譜
設計チームはもともとMotorolaで6800の開発に携わっていた面々で、6502は6800を簡略化・低コスト化・高速化した設計とされる。開発者の一人Bill Menschは、後にWestern Design Center(WDC)を設立し、6502の系譜を引き継ぐ65C02、さらにスーパーファミコンにも採用された16bit版65C816を手がけた。
現在
改良版が今も生産され続けており、組み込み機器などで現役採用する例がある。シンプルな命令セットは解析・自作の入口としても親しまれ、レトロコンピューティングやROM解析の題材としても根強い人気を保っている。
| ビット幅 | 8ビット |
|---|---|
| メーカー | MOS Technology |
関連項目
- Apple IIスティーブ・ウォズニアックが設計した、初期のヒット家庭用パーソナルコンピュータ。カラー表示と拡張スロットを備え、表計算ソフトVisiCalcの登場とともにビジネスにも普及して、PCが一般に広がる先駆けとなった。
- ファミリーコンピュータ任天堂の8ビット家庭用ゲーム機。安価で高い表現力を持ち、日本の家庭用ゲーム市場を一気に築いた。コントローラの方向キー+ボタンという操作系は、その後の家庭用ゲーム機の基本形になった。
- 65C816MOS 6502を16ビットに拡張したCPU。1984年に設計が完了し1985年に市場へ出た。8ビットの6502コードとの互換性を保ちながら16ビット処理を可能にし、スーパーファミコンやApple IIGSに採用された。6502の系譜を16ビット時代へ橋渡しした一台。
- アセンブリ言語機械語の命令を人が読める記号に置き換えた、最も低水準に近い言語。CPUの動きをそのまま書くため習得は難しいが、限界まで速度や容量を絞れる。レトロゲーム解析やROMハックでは、逆アセンブルした先で必ず出会う言語。
- ARMアーキテクチャ消費電力の小ささを強みとするCPU命令セットの系統。スマートフォンやタブレットのほぼすべてに採用され、近年はPCやサーバーにも広がった。モバイル時代の主役となったアーキテクチャ。
- x86アーキテクチャIntel 8086に始まるCPU命令セットの系統。IBM PCに採用されて以降、PC市場の事実上の標準となり、後方互換を保ちながら現在まで拡張され続けている。長く生き残った「枯れて強い」アーキテクチャの代表。
- ENIAC真空管約18,000本を用いた、初期の大規模な電子式汎用計算機。米国で弾道計算のために作られた。配線の差し替えでプログラムする方式で、巨大な部屋を埋め尽くす物量が「計算機械」の時代の幕開けを象徴した。
- ゲームボーイ任天堂の携帯型ゲーム機。性能を抑え白黒画面にした代わりに低消費電力と低価格・頑丈さを実現し、携帯ゲーム機の市場を決定づけた。枯れた技術を組み合わせて大成功した設計の代表例とされる。
- Commodore 64世界で最も売れた家庭用パーソナルコンピュータとも言われる8ビット機。安価で音と映像に強く、欧米のデモシーンやゲーム文化を育てた。日本では馴染みが薄いが、海の向こうでは多くの人の「最初のコンピュータ」だった。
- Stirling世紀末に広く使われた、定番のバイナリエディタ。ファイルの中身を16進数で直接眺めて書き換えられる。並んだ数字の中に文字列やパスといった「人間が読める痕跡」が浮かび上がる瞬間に、低レイヤの面白さが詰まっている。
- スティーブ・ウォズニアックApple IIを一人でほぼ設計したエンジニア。限られた部品で巧妙な回路を組む技に優れ、ハードもソフトも自作する「ハッカー」の理想像とされる。技術そのものを面白がる姿勢は、ものづくりの原点を思い出させる。
- NINTENDO64任天堂の64ビット家庭用ゲーム機。本格的な3Dゲームとアナログスティック、4人同時プレイを家庭に持ち込んだ。ROMカートリッジ最後の主力世代で、暗号化されたメディアにより吸い出しはSFCより難しくなった。
- PC-8801NECの8ビットパソコン。日本のホビーパソコン市場で広く普及し、初期の国産PCゲームや同人ソフトの主戦場になった。海外のC64に対する、日本のホームコンピュータ文化の中心の一つ。
- ビットコンピュータが扱う情報の最小単位。「Binary Digit(2進数の桁)」の略で、0か1の2つの状態だけを表す。この最小の単位を束ねることで、数値も文字も画像も、あらゆる情報がコンピュータの中で表現されている。8bit・16bitといった呼び方の「bit」もこれを指す。