Cray-1
象徴的なスーパーコンピュータ。独特のC字型筐体とベクトル演算で、科学計算の最高峰として名を馳せた。
年表
概要
「スーパーコンピュータの父」と称されるシーモア・クレイが1972年に設立したCray Researchが開発したスーパーコンピュータ。最初のCray-1システムは1976年にロスアラモス国立研究所に納入され、価格は880万ドルだった。当時世界記録となる毎秒1億6千万回の浮動小数点演算(160メガフロップス)の速度と、8メガバイト(100万ワード)の主記憶を誇った。
仕組み
処理速度を高めるため、Cray-1は集積回路同士をできるだけ近づけて配置できる独特のC字型の筐体で作られ、システム内のどの配線も4フィート(約1.2メートル)を超えないよう設計された。この設計によって生じる強い発熱に対処するため、クレイはフロン(Freon)を使った独自の冷却システムを開発した。設計者シーモア・クレイの「技術的な壁を革新的な発想で乗り越える」という志向が反映された機体だとされる。
時代背景
Cray Researchは1972年、シーモア・クレイの地元であるウィスコンシン州チッペワフォールズで研究開発と製造を行い、経営拠点はミネソタ州ミネアポリスに置かれた。Cray-1は1977年に初の海外出荷を行い、納入先は欧州中期予報センター(ECMWF)だった。その後2年以内にイギリス・ドイツ・日本に子会社の拠点を開設した。
種類・系譜
シーモア・クレイは設計に専念するため1980年にCEOの座を退き、独立契約者となった。クレイがCray-1の後継機に取り組む一方、社内の別グループが最初のマルチプロセッサ型スーパーコンピュータCray X-MPを開発し、1982年に発表した。1985年にはCray-1の10倍の性能を持つCray-2が登場し、1988年には多くのアプリケーションで毎秒10億回を超える演算(1ギガフロップス以上)を持続できる世界初のスーパーコンピュータCray Y-MPが発表された。