RSS
サイトの更新情報を配信するための仕組み。専用のリーダーに登録しておけば、巡回しなくても新着がまとまって届いた。SNSのタイムラインが普及して目立たなくなったが、自分で情報源を選ぶ思想は今も支持されている。
時代背景
RSSは実質的に二度発明された。一つはNetscapeが1999年3月に「My Netscape Network」ポータル向けに開発した「RDF Site Summary」(後のRSS 0.9)、もう一つはDave Winerが1997年から自身のブログ「Scripting News」用に独立して開発していたXML配信形式だった。Netscapeは1999年7月、方針を転換しRDF参照を削除した「RSS 0.91」を発表する。仕様書は「RDFファイルの構造は非常に厳密であり、RDFデータモデルに準拠する必要があり、これは人間にはわかりにくく、有用なRDFファイルを作成するのは困難」と説明していた。Winerはこれに満足し、UserLandはこのバージョンを採用した。
俗説と実際
2000年、RSSの発展方針をめぐり対立が深刻化する。Winerは「私は単純さのために全力で戦うつもりだ。名前空間とスキーマの道に進んだり、RDFの方言にしようとしたりしたくない」と述べ保守路線を貫いた。一方、O'Reillyが組織したRSS-DEV Working Group(Rael Dornfest、Ian Davis、当時14歳のAaron Swartzらが参加)はRDFと名前空間を再導入した拡張性重視の路線を志向した。2000年12月、同グループはRSS 1.0を発表し、同月Winerも独自にRSS 0.92を公開したことで正式な分裂(The Great Fork)が生じた。Winerは「RSS 1.0」という名称を事前相談がなかったとして不公正だと感じ、対してTim O'Reillyは「Daveは合意が彼の好みでない方向に進むと参加を中止し、これをO'Reillyによる乗っ取り計画と特徴づけた」と反論した。2003年には、この対立に不満を持つ開発者たちがRDFを排除しAtomという新形式を創設。Ian Davisは「もし名簿メーリングリストのメンバーが妥協・協力できていれば、Atomは不要だったはず」と振り返り、Rael Dornfestは「現在、シリアル化より政治のほうがはるかに単純ではない」と評した。
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