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個人サイト・アクセスカウンター文化

こじんさいとぶんかWeb文化2000

個人が手書きのHTMLで作るホームページと、訪問者数を表示するアクセスカウンターキリ番文化が花開いた時代。Webがまだ大企業のものではなく、一人ひとりの「部屋」だった頃の手作りの空気が漂っていた。

時代背景

「佐倉葉ウェブ文化研究室」の年表によれば、日本の個人サイト文化は1993〜1994年頃、大学サーバー上に研究室の学生が趣味や興味について書いたページを事実上の祖として始まった。1995年は「インターネット元年」と呼ばれ、ウェブ日記(ハイパーダイアリー)ブームが起こり、『日記リンクス』という登録型リンク集を中心とした「日記界」が生まれた。1996年には『日記リンクス』と『日記猿人』というランキングサイトを巡る不正疑惑で対立が起き、個人ニュースサイトというジャンルも確立していった。

文化的な位置づけ

1997年頃のアングラ系「私書箱」文化では、複数の利用者が特定サイトのアクセスカウンターを意図的にリロードして数字を操作する、「カウンターにどれだけ人が支配されるかの壮大な実験」と呼ばれる遊びも行われていたという。1998年にはフォントを加工する手法が広まり「テキストサイト」の創作が活発化し、2001年には『侍魂』のテキストがヒットするなど、テキストサイトブームが起きた。

小話

アクセスカウンターは元々、サイト運営者がクリック数を数える実用的なツールとして設置していたものだった。ここから生まれた「キリ番」とは、100番目・500番目・1000番目といった節目の訪問者を指す言葉で、キリ番を踏んだ訪問者はメールやコメントで管理人に報告するのが慣例だった。ITmedia PC USERの記事は当時実際にあった書き込みの例として、100番目「山本太郎」・200番目「マゲ扶養」・300番目「KAZUHIKO」といった名を挙げている。一方でキリ番の不正取得も問題となり、「現在到達禁止」といった対策を掲げるサイトも現れたという。

形態個人ホームページ

関連項目

  • 2ちゃんねる匿名で書き込める巨大掲示板。日本のネット文化の中心地となり、独特の言い回しやアスキーアート、スレッド文化を数多く生んだ。今のネットスラングや掲示板文化の源流の一つ。
  • アクセスカウンターページが何回見られたかを数字で表示する、個人サイト時代の定番パーツ。トップページに「あなたは○○○○人目の訪問者です」と並ぶ数字は、訪れた人と管理人をつなぐささやかな交流でもあった。SNSのいいね以前の、素朴なアクセス可視化の文化。
  • Wayback MachineInternet Archiveが運営する、過去のWebページを保存・閲覧できるサービス。消えてしまったサイトを当時の姿で遡れる点で、ネットの記憶装置とも呼べる。古い情報やリンク切れを追う作業では何度も助けられる存在。
  • FTPネットワーク越しにファイルを転送するための古い通信規約。Webサイトの公開やソフトの配布に広く使われ、専用ソフトでサーバーへアップロードする作業は個人サイト時代の定番だった。今はより安全な方式に置き換わりつつある。
  • オンラインソフト全盛期Vectorや窓の杜といった配布サイトを通じて、個人が作ったフリーソフト・シェアウェアが大量に流通した時代。名もない作者の力作が日本中のPCに届いた、この営みが見つめ直したい古い情報技術の宝庫でもある。
  • キリ番アクセスカウンターが10000や77777といった「キリのいい数字」になることを指す個人サイト文化。その番を踏んだ人が掲示板で報告し、管理人がお礼のイラストを描く、といったやり取りが生まれた。数字ひとつを口実にした、ゆるい交流の作法。
  • ジオシティーズ無料で個人のホームページを作れたサービス。住所のような番号で区画が割り当てられ、趣味のサイトが街のように立ち並んだ。多くの人の最初の自作サイトの舞台であり、その閉鎖は個人サイト文化の一つの区切りとなった。
  • GIF256色までの画像とパラパラ漫画のようなアニメを扱える画像フォーマット。容量が小さく、初期のWebサイトのアイコンや「工事中」アニメで大量に使われた。動く小さな画像という文化を作った、懐かしさの象徴。
  • テキストサイト日記やコラムなど文章中心の個人サイト文化。ブログ普及前の2000年前後に隆盛し、独特の文体や読者交流を生んだ。
  • Flash黄金時代Adobe Flashで作られたアニメやゲームがWebに溢れた時代。個人制作の動画文化を支えたが、HTML5普及とともに姿を消した。
  • ブログ日記や記事を時系列で手軽に公開できる仕組みと文化。HTMLを書けなくても文章を発信でき、個人サイトより気軽に書ける場として広まった。SNSに主役を譲った後も、まとまった文章を残す場所として生き続けている。
  • mixi招待制で広がった日本初期のSNS。日記・足あと・コミュニティ機能で実名に近い交流を生み、ブログとTwitterのあいだの時代を象徴した。後発の海外SNSに押されたが、日本のソーシャル文化の原点の一つ。

関連技術

出典