テキストサイト
てきすとさいとWeb文化
日記やコラムなど文章中心の個人サイト文化。ブログ普及前の2000年前後に隆盛し、独特の文体や読者交流を生んだ。
時代背景
2001年1月18日に開設された『侍魂』は、テキストサイト界を劇的に変えた存在だった。管理人の健氏は「フォント弄り+改行」という技法を組み合わせ、文字の大きさや色、そして無駄な改行を使うことで会話の「間」を表現した。その結果、一日25万アクセスという当時としては前代未聞の数字を記録する。健氏は後に「演出は必要」と語り、「会話における間の取り方と同じ」という哲学を持っていたという。侍魂・『ろじっくぱらだいす』・『ちゆ12歳』の3サイトの成功により、2001〜2002年にテキストサイトは急速に認知された。文体は段階的に発展し、『A_prompt.』による「ABC体」と呼ばれる手法から始まり、侍魂による改行を活かした表現へと進化していった。これらは「強弱を表現する技法」として、読者の爆笑を引き出すために計算し尽くされていたという。
消えた理由
ブームの成功に伴い大量の低質な模倣サイトが発生し、「埋もれ問題」という課題が生じた。2003年以降は『テキッ娘。』などの新しい試みも失敗に終わり、「テキストサイト系テキストサイト」の閉鎖が相次いだ。系統としては、自虐ネタを得意とする「痛い系」(『一流ホームページ』『紐井屋』など)、洗練されたデザインの「ライト日記系」(『我思う、故にラーメン』『九十九式』など)、『ちゆ12歳』を原型として2001年以降大量発生した「VNI(バーチャルネットアイドル)系」といった分類があった。
関連項目
- 個人サイト・アクセスカウンター文化個人が手書きのHTMLで作るホームページと、訪問者数を表示するアクセスカウンターやキリ番文化が花開いた時代。Webがまだ大企業のものではなく、一人ひとりの「部屋」だった頃の手作りの空気が漂っていた。
- Flash黄金時代Adobe Flashで作られたアニメやゲームがWebに溢れた時代。個人制作の動画文化を支えたが、HTML5普及とともに姿を消した。
- ブログ日記や記事を時系列で手軽に公開できる仕組みと文化。HTMLを書けなくても文章を発信でき、個人サイトより気軽に書ける場として広まった。SNSに主役を譲った後も、まとまった文章を残す場所として生き続けている。