吉里吉里
きりきりソフト1998
日本製のノベルゲーム制作エンジン。スクリプトで分岐や演出を記述でき、同人ビジュアルノベル文化を技術面で支えた。
時代背景
開発者w.dee氏は学生時代の1999年に吉里吉里プロジェクトを開始した。当初は自分自身がアドベンチャーゲームを制作するために開発しており、既存のエンジンを使わなかった理由について本人は「技術的な探求そのものが大きな動機になっていた」と述べている。本人によれば、当初の目的だったゲーム制作そのものは未完のままだったが、「エンジン開発を優先し続けたからこそ、あのような汎用性を有するに至った」と振り返っている。
概要
吉里吉里の最大の設計原則は「ゲームエンジンの開発が中断されても、ゲームの開発は継続できるべき」というものだったとw.dee氏は語る。個人開発ゆえの不確実性——開発者自身がいつ手を離すか分からないという状況——への対応として、オープンソース化と、C++コアに依存しない柔軟な設計を実現したという。
現在
「吉里吉里2」を採用した『Fate/stay night』は歴史的なヒット作となった。w.dee氏は同作を「特に強く注視していた」と述べ、その理由を大規模な商業作品での実運用データが大量に得られたことだとしている。その反響は「想定していた範囲をかなり超えていた」といい、この経験を通じてハードウェアの信頼性の問題など、実環境で初めて分かる予期しない現象も発見されたという。