六角大王
線画を描くだけで立体を作れる、独自の発想で知られた国産3Dモデリングソフト。2次元のドローツールと同じ要領で描いた絵から、左右対称性をもとに奥行きを自動計算して3D形状を起こす。1990年の雑誌掲載BASICプログラムに始まり、PC-9801版・Macintosh版を経てWindows版・製品版「六角大王Super」へ発展。人体モデリングに強く、キオ式初音ミクなどMMDのモデル作成にも使われ、後のVTuber文化の土台を下支えした。
年表
概要
線画を描くだけで立体を作れる、独自の発想で知られた国産3Dモデリングソフト。2次元のドローツールと同じ要領で描いた絵に頂点を打つと、奥行きが自動計算されて3D形状が起きる。開発は森田利広・古島終作の2名。
種類・系譜
1992年、PC-9800シリーズ向けのMS-DOS用フリーソフトとして発表。その後Windows・Macintoshにも移植された。1998年からは製品版「六角大王Super」として、ポリゴンモデリング・レンダリング・アニメーション機能を備えたフル機能CGソフトへ発展した。
文化的な位置づけ
90年代初頭の3DCGソフトは3D Studio(後の3ds Max)やLightWave 3Dなど外国産が主流だった中、六角大王(主にSuper)は人体モデリングに便利な機能を持っていたことから、キオ式初音ミクなどMMD(MikuMikuDance)のモデル作成に使われることが多く、現在のVTuber文化を下支えした3Dソフトの一つとされる。
消えた理由
2011年、開発元の株式会社終作が権利をセルシス(CLIP STUDIOで知られる)へ譲渡し、以降はセルシスが開発・販売・サポートを継続した。しかし2020年6月5日、セルシスは製品ページで「六角大王Super」の販売終了を発表。90年代後半以降に台頭したBlenderやMayaといった多機能ソフトへ、多くのユーザーが移行していったことが背景にある。
| 種類 | 3Dモデリングソフト |
|---|---|
| 作者 | 森田利広・古島終作 |
| 初出 | FM77AV版(1990) / PC-9801版(1992) |
| 独自機能 | 線画から立体を起こす自動立体化 |
関連項目
- Blender 最古ソース現存する最古のBlenderのソースコード。中心となるblender.cはわずか80バイトほどしかなく、後に巨大な3D制作ソフトへ育つソフトの「誕生の日」を読める貴重な記録。1994年1月2日のソースとして知られる。
- PC-9801NECの16ビットパソコンで、長らく日本のPC市場で圧倒的なシェアを握った。独自規格ながら膨大なソフト資産を抱え、「98(キュウハチ)」の愛称で親しまれた。Windows/DOS-V互換機の波に飲まれるまで、日本のビジネスとゲームを支えた。
- リバースエンジニアリング完成した製品やプログラムを分解・解析して、その仕組みや設計を読み解く行為。ソフトウェアでは逆アセンブルなどで内部の動きを追う。古いソフトやゲームの「痕跡」を読む作業の中核であり、この営みの最大の武器。
- MikuMikuDance無料の3Dアニメーション制作ソフト。初音ミク等のモデルを躍らせる動画文化を生み、個人が3D映像を作る裾野を一気に広げた。