六角大王とは|MMDやVTuber文化の土台になった伝説の国産3DCGソフトを解説【Windows】
線画を描くだけで立体になる――1990年代から続く国産3DCGソフト「六角大王」とは何か。キオ式初音ミクなどMMD(MikuMikuDance)のモデル作成にも使われ、今のVTuber文化の人体モデリングを下支えした伝説的ソフトの歴史と魅力を、実際に触りながら解説します。
六角大王とは?
六角大王とは、かつてPCで配布・販売されていたモデラー型の3DCGソフトウェアである。
そのルーツは古く、1990年に雑誌『Oh!FM』に掲載されたFM77AV用の短いBASICプログラムにまでさかのぼる。1992年にはPC-9801版が、1993年にはMacintosh版が登場し、1994年からはMacintosh版を移植したWindows版が配布されるようになった。最初のWindows版がV3.2、面塗り機能を備えたV4.0、DXF出力に対応したV5.0……と版を重ね、Windows 95に対応したのがV5.2系である。
そして1998年には、製品版である「六角大王Super」が株式会社終作より発売される。最新版は2009年6月に発売された「六角大王Super6」であり、以後開発は事実上停止している。
また、2011年12月1日には、株式会社終作が販売していたソフトウェアの権利を「CLIP STUDIO」で知られるセルシスへ譲渡しており、以降、同社によるサポートおよびダウンロード販売が継続している。
開発者は森田利広・古島終作の二名であり、古島終作は3Dモデリングソフト「CLIP STUDIO MODELER」の開発にも参画していた。
何がすごい?
変態的な技術
「六角大王」は3DCGソフトであるものの、2Dの絵描きソフトと同様の要領で線画を描くだけで3Dの形状を入力できるという画期的な機能を持っていた。
詳しく説明すると、1枚絵を描いて、上手い位置に頂点を打っていくと、なぜか奥行きが自動計算されて3Dモデルができる。といったものである。
仕組みについては今後解説していこうと思っているので今回は割愛させていただく。
日本の3DCG文化の土台を作った
90年代初頭は、3DCGソフトと言えば、3D Studio(後の3ds Max)、LightWave 3Dといった外国産の3DCGソフトが主流であった。そんな中、六角大王(主にSuper)は人体モデリングに便利な機能を持っていたことから、キオ式初音ミクなど、MMD(MikuMikuDance)のモデル作成に使われることも多く、現在のVTuber隆盛につながる人体モデリング文化を下支えした貴重な3Dソフトといえる。
また、90年代後半からはBlenderやMayaといった強力な3DCGソフトが登場したにも関わらず、日本の3DCGモデリングソフトとして確固たる地位を築き上げてきた。
六角大王 for Windows V5.25(Windows 95版)を触ってみる
まず、古いソフトウェアであるので、多少のセットアップが必要だったりします。なので、起動にはしっかりと手間がかかります。
詳しくは六角大王ダウンロード方法に関する記事を作成しているので公開をお待ちください。
また、ダウンロードは自己責任でお願いいたします。
起動画面
.png)
少々手順を踏み、実際に「六角大王」を起動してみました!
UIはこの時期のWindowsソフトでよく見る、安心感のある構成ですね!
一見すると、どこをいじればいいのかわかりません。私も触ってみるのは初めてなので、使えるか不安だったのですが、UIがとにかくわかりやすく設計されていたので、すぐに機能を把握することが出来ました!
サンプル「おじさん」を開いてみる
.png)
ダウンロードフォルダに同梱されていたサンプルの一つである「おじさん」を開いてみました。
おじさんですね。
立体的なおじさんです。太眉が印象的ですね!
ちなみに、拡張子は".ROK"となっていて、「六角大王ファイル」という特別仕様の拡張子だったりします!
サンプル「岩じじい」を開いてみる
.png)
次は「岩じじい」を開いてみました!
「おじさん」と同様、ダウンロードフォルダに同梱されていたサンプルの一つです。
岩じじいですね。
ごつごつとした凛々しいおじさまです!
ついついいたずらしたくなってしまいます。というかしました。
.png)
おおー
鼻と頬が伸びてさらに立派になりましたね!
そういえば、岩じいさんの顔をいじっているとき、「スーパーマリオ64」のタイトル画面でマリオの顔にいたずらしていた小さい頃の記憶が蘇ってきました...(泣)
役目を終えたソフト
おそらく、殆どの3DCGソフトの利用者は「Blender」や「Maya」といったモダンで多機能な3DCGソフトを使用しているものかと思われます。かつて「六角大王」でモデリングをしていた職人の方々も例外なく移行してしまったように思われます。
もちろん、3DCGが発展し、現実と見間違えるほどのものを世界をPC1台で作り出すことが可能になったことはとてもいいことです。実際、私が初めて本格的な3DCGを作ってみたのも「Blender」でした。
一方、残念ですが、UIも作れるモデルも古めかしい「六角大王」は時代に流されてしまったソフトとも言えてしまいます。
それでも、「六角大王」の功績と軌跡は未来永劫不変なものですし、製作者の方の想いや情熱は美しく残ります。「六角大王」は3DCGの、そしてとくに3Dモデリングに置いて多くの歴史を作ってきました。今の3DCGがあるのも、「六角大王」やその他の時代に埋もれてしまったソフトの数々の存在があったからこそだと思います。
「六角大王」が現役ソフトとして使われることは、もうないのかもしれません。当時の最新鋭は古びていき、古いソフトは時代に飲まれていく。これがソフトウェアの、いや、この世の通りです。
そんな中、敢えてその歴史を辿ってみたり、実際に触ってみたりするのもまた粋かもしれません。
何かしらのインスピレーションになるかもしれません。 何にもならないかもしれません。
そこは人それぞれですが、ただ純粋に思いを馳せたり、懐かしむだけでもいいのかもしれませんね。