一覧へ戻る
レトロ

bitとは? 4bit/8bit/16bit/32bit/64bitの違いをわかりやすく解説

コンピュータのbit(ビット)とは何か。4bitから64bitまで、bit数が増えると何が変わるのか、なぜ128bitが無いのかを、歴史を辿りながら初心者向けにわかりやすく解説します。

はじめに

"8bit"という言葉を少なからず聞いたことがあると思う。 ファミコン(ファミリーコンピュータ)などがそれに当てはまる。 8bitと言えばピコピコしていて粗いドット絵で描かれるものだと認識している人も多いであろう。

あながち間違いではない。

しかし、コンピュータにおけるbitとは何か、イマイチわかっていない人も多いのではないか?

そこで、今回はコンピューターにおけるbitとは何か、4bit,8bit,16bit,32bit,64bitとはそれぞれ何を意味しているのか、徹底的に解説していく

bitとは?

ビット(bit)とは、コンピュータが処理する情報の最小単位のことである。 「Binary Digit(2進数の数字)」の略で、電気の「オン(1)」と「オフ(0)」の2つの状態を表している。

例えば、あるボタンが押されたら、このボタンに接続している回路が1になって、コンピュータに入力情報が渡される、といった感じである。

コンピュータの世界では、

  • 汎用レジスタのサイズ(計算の器)
    • CPU内部にある作業用メモリ(レジスタ)の数
  • メモリアドレスの幅(ポインタのサイズ)
    • メモリ上のどこにデータがあるかを示す「番地」の数

を表す。すなわち、コンピュータの「作業机の広さ」である。

bitが大きくなるとどうなる?

大きく分けて 「計算力」「記憶力」 の2つが劇的に向上する。

  • 一度に扱える数値が大きくなる(計算力)

    • 8bitなら $2^8 = 256$ 通り(0〜255)の数字しか一度に計算できない
    • 16bitなら $2^ = 65,536$ 通り(0〜65535)を一度に処理できる
    • 大きな数値を扱う場合、8bitだと何度も分割して計算(桁上がりなどの処理)をしなければならないが、bit数が大きければ1回の命令で終わるため、処理が高速になる
  • 扱えるメモリの容量が増える(記憶力)

    • CPUがメモリの場所を指定する番号(メモリアドレス)もbit数に依存する
    • 32bit CPUは最大 $2^$ バイト、つまり 約4GB のメモリ空間しか直接管理できない
    • 64bit CPUになれば $2^$ バイト、つまり 約16EB(エクサバイト=160億GB) という広大なメモリを管理できるようになる

すなわち、「一度に扱える桁数が増える」ことで、巨大な数値の計算を分割せずに1発で処理できるようになるのが、ビット数が増える最大のメリットである。

以降、bit数の増加の歴史と、本質的な恩恵について解説していくが、「bit数=全体の性能」ではないことは留意しておいてほしい。

世界初のMPU(マイクロプロセッサ)は4bitであった

世界初のマイクロプロセッサである「Intel 4004」が1971年3月に発売された。

「Intel 4004」は4bitであった。

理由は、主に電卓の計算を目的として作られたからである。

電卓の計算には0〜9の10進数を表現するのに4bitあれば充分であるためである。

8bitの登場 - マイコン(マイクロコンピュータ)・初期のゲーム機の時代

8bitのCPUは1974年頃(Intel 8080など)に登場し、そこから数年をかけて家庭向けの製品へと広がっていった。

8bit機の代表として、

  • 1977年 世界初の本格的なカラーグラフィック対応マイクロコンピュータ(現在におけるパーソナルコンピュータ)「Apple II」(Apple)
  • 1983年 家庭用ゲーム機「ファミリーコンピュータ」(任天堂)

急速にコンピュータが家庭に進出したのが8bitの時代であった。

16bitの登場 - PC黎明期・黄金の2Dゲーム時代

16bitのCPUは1978年頃(Intel 8086など)に登場し、やがてPCや家庭用ゲーム機へと広がっていった。

16bit機の代表として、

  • 1982年 16bitPC「PC-9801」(日本電気)
  • 1988年 16bit家庭用ゲーム機「メガドライブ」(セガ・エンタープライゼス(現セガ))
  • 1990年 家庭用ゲーム機「ファミコン」の後継機「スーパーファミコン」(任天堂)

コンピュータとしての処理性能やゲーム機としてのグラフィックが飛躍的に向上し、数多くの家庭でコンピュータが一般的な物となりつつあったのが16bitの時代である。

32bitの登場 - 3Dポリゴンとインターネットの時代

32bitのCPUは1985年頃(Intel 80386など)に登場し、1990年代に入って一般のPCや家庭用ゲーム機へと普及していった。

32bit機の代表として、

  • 1994年 PlayStation(ソニー・インタラクティブエンタテインメント)
  • 1995年 Windows 95搭載PC

この時代はインターネット黎明期と呼ばれ、インターネットが急速に普及した時代である。 その中、Windows 95には「PCを家電に」という期待が多く寄せられた。 結果的に、Windows 95はインターネット普及に最大の貢献を残し、伝説的なOSとして今なお語り継がれている。

また、PlayStationなどに代表される32bit家庭用ゲーム機は3D表現を飛躍的に発達させた。 8bitから16bitへの進化を2次元方向への進化とすれば、16bitから32bitへの進化は3次元方向への拡張とみることもできるかもしれない。

64bitの登場 - 現代のスタンダード

64bitのCPUは1990年代前半に登場し始め、2000年代以降に一般のPCへと広がっていった。

64bit機の代表として、

現代のPCは64bitとなっている。64bitが出始めた頃は「64bit」という言葉が喧伝されていたが、現在(2026年)に至るまでのスタンダードとなったためこのような喧伝は見なくなった。

任天堂から発売された「NINTENDO64」はコンシューマー機としては異例の早さで64bit CPUを搭載した例である。しかし、同時期に発売された「PlayStation(1994年)」にシェアの大部分を奪われてしまった。

その最大の敗因は、ゲームの記録媒体として 高価で低容量なROMカセット(数MB〜最大でも64MB程度)を採用し続けたことにある。「PlayStation」が採用した**CD-ROM**は安価で大容量(約650MB)だったため、美麗なムービーなどを盛り込んだ大容量のRPGを作りたいサードパーティ(ソフトメーカー)が次々とPlayStationへ流出してしまったのだ。

最終的に『スーパーマリオ64』などの歴史的な大人気タイトルを発売し、3Dゲームの基礎を築いたものの、任天堂のゲーム機としてのビジネス面では奮わない結果となった。

なぜ「8の倍数」刻みで増えているのか

4bit機を例外として、8bit, 16bit, 32bit, 64bitと8の倍数刻みで2倍ずつコンピュータは進化してきた。

その理由は 「1バイト(8bit)がコンピュータの基準であるから」

よって、過去のプログラムとの互換性を保ちつつ性能を上げるため、1バイトの倍数(8 $\rightarrow$ 16 $\rightarrow$ 32 $\rightarrow$ 64)へと 「2の累乗」 で拡張していくのが設計上最も合理的だったのである。

128bit以降は?

一見、bit数を増やしていけば計算力も記憶力も上がるのだから、さらに処理性能が高いコンピュータを作れそうである。

しかし、一般的な用途において、64bitで完全に事足りており、128bitにするデメリットの方が大きい

理由は主に以下の二つである。

  • メモリ空間が広すぎる

    • 前述の通り、64bitのアドレス空間は約16エクサバイト(160億GBくらい)である。個人用PCや一般的なサーバーでこれほどの物理メモリ(RAM)を積む機会は今のところない。
  • 無駄なデータ太り(キャッシュの浪費)

    • ポインタ(メモリアドレス)を格納するためのサイズが64bitから128bitになると、単純にデータ量が倍になる。これによりCPUの超高速な作業領域(キャッシュメモリ)がすぐにパンパンになり、逆に処理速度が落ちてしまう。

【補足】 描画処理やAI、暗号化などの「特定の計算(SIMD命令など)」においては、CPU内部で部分的に128bit、256bit、512bitのレジスタが現在も使われている。しかし、OSやメモリ管理のベースとなる「基本ワード長」としては64bitのままである。

このような理由で、一般的なコンピュータにとっては、128bit以降は手に余るのであり、現在は64bit止まりとなっている。

最後に

以上が、4bit, 8bit, 16bit, 32bit, 64bitの違いである。 曖昧なまま8bitという言葉を使っていた方も多かったのではないだろうか。

また、bitはコンピュータの構造や歴史を辿る上でも重要な概念である。コンピュータにおける性能の最も根本的な部分がbitであるため、まずはbitについて解説してみたのが今回の記事の背景である。

関連記事
記事一覧に戻る