ファイル共有ソフト
ふぁいるきょうゆうそふとソフト
P2Pでファイルを交換するソフト群の総称。ネットワーク越しに直接やり取りする仕組みは、著作権や情報流出の社会問題とも結びついた。
時代背景
1999年、ノースイースタン大学の学生だったショーン・ファニングが開発したNapsterが、P2P型ファイル共有を象徴する存在となった。1999年12月6日、A&M Recordsをはじめとする大手レコード会社らがNapsterを提訴し、この裁判は連邦地方裁判所を経て第9巡回区控訴裁判所まで争われた。控訴裁判所の判決文(2001年)は、Napsterの技術的な仕組みを詳しく説明している——利用者はNapsterのソフトウェアをダウンロードし、自分のハードディスク上に「ユーザーライブラリ」を作成、そこに保存したMP3ファイルの「ファイル名」だけがNapsterのサーバーにアップロードされる。ファイルの中身自体は利用者のコンピュータに留まったままで、サーバー側は「集合ディレクトリ」としてファイル名の検索・所在案内だけを担う仕組みだった。
概要
この訴訟でNapsterは、寄与侵害(contributory infringement)および代位侵害(vicarious infringement)の責任を問われた。ネットワーク越しに直接ファイルをやり取りする仕組みは、中央のサーバーが検索の手がかりだけを提供し、実際のデータ転送は利用者同士のコンピュータ間で直接行われるという、それまでの集中管理型のサービスとは異なる構造を持っていた。この構造ゆえに、著作権侵害を巡る責任の所在という新しい法的問題を生み出すことになった。