TCP/IP
てぃーしーぴーあいぴー規格1983
世界中のネットワークを相互に接続するための通信規約。データを小さな単位に分けて届ける仕組みで、異なる機械やネットワークをつなぐ共通言語となり、インターネットそのものを成り立たせている。
時代背景
1974年5月、ヴィントン・サーフとロバート・カーンは論文「A Protocol for Packet Network Intercommunication」(パケット網間通信のためのプロトコル)をIEEE Transactions on Communications誌に発表した。論文の冒頭で二人は、それ以前の数年間パケット交換網の設計・実装に多くの努力が費やされてきたが、既存のプロトコルは「同一ネットワーク内の通信の問題」しか扱っておらず、自分たちは「異なるパケット交換網に存在する資源の共有を可能にするプロトコルの設計と思想」を提示すると述べている。ネットワーク間のインタフェースとなる「ゲートウェイ」の機能を導入し、アドレス指定・フォーマット・バッファリング・順序制御・フロー制御・エラー制御などの詳細を検討している。
概要
この論文が提示したプロトコルは、異なるパケットサイズ・伝送障害・順序制御・フロー制御・端点間のエラーチェック・論理的なプロセス間接続の生成と破棄に対応するものだった。個々のパケット交換網の設計だけでも多くの複雑な問題があるが、異種のネットワークを相互接続するとこれらの問題がさらに複雑化する、と論文は指摘している。この設計思想が、後にTCP(伝送制御プロトコル)とIP(インターネットプロトコル)として発展し、世界中のネットワークを相互接続する仕組みの土台になった。
| 用途 | ネットワーク通信 |
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関連項目
- World Wide Webティム・バーナーズ=リーがCERNで考案した、文書同士をリンクでつなぐ仕組み。URL・HTTP・HTMLという三つの土台を定め、誰もが情報を公開し行き来できる現在のWebの原型を作った。
- ARPANETの誕生米国の研究機関を結んだ実験的なネットワーク。複数のコンピュータをつないで通信した初期の試みで、後のインターネットの直接の祖先とされる。今や世界を覆う網の、ごく小さな最初の一歩だった。
- 暗号化情報を第三者に読めない形へ変換し、正しい鍵を持つ人だけが元に戻せるようにする技術。古くは軍事・外交の道具だったが、今ではWeb通信やデータ保護に欠かせない。プライバシーとセキュリティの根幹をなす考え方。
- HTTPWebブラウザとサーバーがWebページをやり取りするための通信規約。「ください」「どうぞ」という素朴な要求と応答の積み重ねでWeb全体が動いている。普段は意識されないが、すべてのWeb閲覧の裏で働く土台の取り決め。
- SMTP電子メールを送るための通信規約。インターネット黎明期に定められ、四十年以上ほとんど形を変えずに使われ続けている。地味だが極めて息の長い規格で、今日のメールも基本はこの上で配送されている。
- FTPネットワーク越しにファイルを転送するための古い通信規約。Webサイトの公開やソフトの配布に広く使われ、専用ソフトでサーバーへアップロードする作業は個人サイト時代の定番だった。今はより安全な方式に置き換わりつつある。
- クライアントサーバサービスを提供する側(サーバ)と利用する側(クライアント)に役割を分けて処理する仕組み。Webもメールもこのモデルでできており、ネットワークを使うシステムの基本構造として広く根づいた考え方。
- DNS人が覚えやすいドメイン名を、機械が使うIPアドレスに変換する仕組み。インターネットの電話帳とも呼ばれ、私たちが数字を意識せずサイトへたどり着けるのはこの裏方のおかげ。ネットの根幹を支える分散システム。