CP/M
ゲイリー・キルドールが作った、初期8ビットマイコン向けの定番OS。多くのビジネスソフトが動き、パソコン用OSの事実上の標準だった。IBM PC向けOSの座をMS-DOSに奪われた逸話は、業界史でよく語られる。
概要
ゲイリー・キルドールが開発した、初期の8ビットマイコン向けOS。1974年秋、キルドールとエンジニアのJohn Torodが、Pacific Groveの自宅ガレージでCP/Mをフロッピーディスクから起動させたのが始まり。1975年に最初のライセンス販売を行い、1976年には妻ドロシー・マキューエンとともにDigital Research社を設立した。多くのビジネスソフトが動作し、パソコン用OSの事実上の標準となった。
俗説と実際
「キルドールはIBMとの会談をすっぽかして飛行機に乗っていたため、IBM PCのOSの契約を逃した」という話が広く語り継がれている。ビル・ゲイツが語ったとされるこの逸話は「Gary was out flying when IBM came to visit, and that's why they did not get the contract」というものだが、Computer History Museumはこれを俗説として否定している。実際にはキルドールは予定通り午後に会談へ戻っていた。当日午前は顧客対応のためオークランドへ飛行機で移動していたが、朝の打ち合わせで秘密保持契約に合意した後の外出であり、午後には技術的な議論にも参加していた。交渉が難航したのは金銭条件(一括購入かロイヤリティ方式か)が折り合わなかったためで、キルドール自身は取引が成立するものと考えていた。最終的に破談になったのは、その隙にビル・ゲイツがCP/Mに似た別のOSを購入し、IBMに売り込んだためだった。
消えた理由
IBM PC向けOSの座は、キルドールとの交渉が難航している間にビル・ゲイツが用意した別のOSに渡った。この経緯によりCP/Mは1980年代のパソコン市場の主役の座を降りていくことになった。
| 開発者 | Gary Kildall |
|---|---|
| 対象 | 8ビットマイコン |
関連項目
- MS-DOSマイクロソフトがIBM PC向けに提供したコマンドライン方式のOS。文字を打ってコンピュータを操作する時代を象徴し、後のWindowsの土台になった。今もWindowsの「コマンドプロンプト」にその面影が残る。
- Windows 3.1MS-DOSの上で動いたグラフィカルな環境。商業的に大きく成功し、PCにGUIを一般家庭・オフィスへ広めた版。日本語版とともに国内でも普及し、Windows 95へ至る道を整えた、過渡期の重要な一枚。
- WordStar初期に広く普及したワープロソフト。キーボードだけで文章を編集する操作体系を確立し、多くの物書きに使われた。一部の作家が今も愛用していることでも知られる、息の長いソフト。