Stirlingとは|定番の無料バイナリエディタを解説【Windows】
Windows用の定番フリーバイナリエディタ「Stirling」とは何か。1998年公開のこのエディタの魅力と、開発終了後も今なお使われ続ける理由を、レトロソフトの視点から解説します。
Stirlingの記事3本の内容を、1本の動画にまとめました。 動画版: 開発終了から27年。なのに愛され続けるソフトの話【ゆっくり解説風】
Stirlingとは?
長年愛され続けてきた定番のバイナリエディタ「Stirling」
1998年8月に初公開されたフリーソフトである。
開発者である後藤 和重は、 「Stirling(スターリング)はWindows用バイナリエディタの新たな定番となるべく最強を目指して開発された高機能バイナリエディタです。」 と述べる。
これは虚勢ではなく事実である。 実際、初公開から四半世紀以上が経った今なお愛され続けるフリーソフトの地位を築き上げた。 「使い込むほどに手になじみ手放せなくなるツールを目指しました。」 との言葉通り、バイナリとなじみ深い人間を幾人も虜にしてきた。
最大の特徴としては、当時としては珍しかった「アンドゥ・リドゥ」や「置換」機能である。
残念なことに、1999年6月に開発が終了され、2001年末に公式ウェブサイトも閉鎖された。 現在はVectorの公式サイトにて、ダウンロードが可能となっている。
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公式サイトはこちら
プログラムやファイルの解析でお世話になった方々も多いのではないだろうか。 私個人としては、SFCのソフト解析でとてもお世話になったため、とてもなじみ深いソフトの一つである。
利用方法の詳細はまた別の記事にて書かせていただきます。
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詳しくは Stirlingの入手方法 を参照。
実際に触ってみる

とあるファイルをStirlingで覗いてみる
今回は私が大好きなとあるスーパーファミコン(以後SFC)のソフトの中身を覗いてみる。

Stirlingの魅力
画面の左側には00000000から始まるADDRESSを示す行。 その右側にはC2 30 20...といった不思議な文字列。 さらに右側には文字化けをしている文字群。
特定の業種の方々や、わざわざ仕事でもないのにバイナリを覗こうとする特殊な一般人の方々の需要を長年満たしてきた画面がここにある。 それだけで、十分に感慨深いものがある。
私にとってのStirling
そこには、いまだかつて見たことのない世界が広がっていた。普通にゲームで遊びたければ、エミュレーターを使って起動すればいい。 しかし、それでは自分が幼いころに感じた感動や興奮の種が分からない。当時の開発者の方々の努力に苦労、遊び心に真心は知りえない。 そうした、数多くの「好奇心」を満たしてくれたもの。それが私にとってのStirlingであり、唯一無二の伝説的なバイナリエディタである。
定番への陰り
有志によって進化を続ける Binary Editor BZ
Stirlingと同様、1990年代後半に開発され、公開されたバイナリエディタ。 読み込んだデータを「1バイト=1ドット」の画像データとみなし、数値に応じて色分けして視覚的に解析できるユニークな機能を備えている。 2004年ごろに開発が終了したものの、2012年〜2013年頃、開発者c.mos氏の厚意によりソースコードが提供され、有志のdevil.tamachan氏が改造を引き継ぐ形でオープンソース化した。 2020年代に入った現在でも、有志によりメンテナンスやアップデートが成され、今なお進化し続ける生ける伝説。
今を時めく新定番 ImHex
データの自動色分け、モダンなUI、簡易的な逆アセンブラ等々、最新鋭の機能を備えた超新星。 GitHubを中心に世界中で開発されている、現在最もモダンなオープンソースのバイナリエディタ。
他にもVS Code拡張機能 Hex Editor・大容量ファイルを扱う FavBinEditなど、数多くのバイナリエディタの台頭により、ド定番としての地位は揺らぎつつあります。
栄光は永遠に
これからの時代、Stirlingは徐々に表舞台から姿を消していくかもしれない。定番の地位が、別のバイナリエディタへと置き換わるかもしれない。 私自身も、最近はStirlingではなくImHexの使用を検討している。
しかし、Stirlingの地位は変われど、価値は不変である。
開発が約27年前に終わっているにもかかわらず、90年代から長らくの間多くの人々のバイナリエディタであり続け、 現代(2026年)にいたるまで定番の地位を確立し続けた功績はずっと残り続ける。
いつか使用者がいなくなっても、この光を残し続けるべく、人々の記憶に残すべく、私はこの記事を公開した。